(急性)虫垂炎

急性炎症のなかで身近な症例として虫垂炎を例にとります。
発生病理をもう少し詳しく説明すると、虫垂内腔閉塞を伴う虫垂炎では閉塞・狭窄により虫垂内腔圧が上昇し、血流障害による虚血性変化が発生、抵抗力が減弱した虫垂壁を大腸菌、Welch菌などの腸内常在菌が侵すためということのようです。虫垂内腔閉塞を伴わない虫垂炎では、全身のリンパ組織の増殖をきたすような疾患により虫垂リンパ組織が増殖し、これに細菌の二次感染が加わって虫垂炎を発生することが考えられています。
急性虫垂炎において、やや若い世代に罹患率が高いのは、リンパ組織がよく発達しており、軽度の炎症性刺激にも反応して閉塞をきたしやすいためと考えられています。
分類の方法も様々なものが存在しますが、急性虫垂炎の組織学的な診断基準は筋層への好中球の浸潤です。

炎症が粘膜表層に限局し、他の虫垂壁に著変はないものがカタル性虫垂炎
です

さらに炎症が進むと、
好中球浸潤が粘膜下層から急速に筋層、漿膜や虫垂間膜までびまん性に広がり、蜂窩織炎性虫垂炎となります。この型の虫垂炎では粘膜のびらんや潰瘍化は始まっていますが、虫垂壁の構造はまだ保たれています。

高度に進展した虫垂炎では粘膜は破壊され、虫垂壁は壊死・壊疽に陥り、壊疽性虫垂炎となります。急性虫垂炎の転帰として、初期病変(カタル性虫垂炎)あるいは蜂窩織炎性虫垂炎までの病変は瘢痕性に治癒し得ます。


虫垂炎の光学顕微鏡像
コラム「慢性虫垂炎?」
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