成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の研究に関するお知らせ
【研究課題名および研究代表者】
「くすぶり型・慢性型ATLの予後予測モデル開発のための血液内科・皮膚科共同研究」
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科感覚器病学講座皮膚科学分野 准教授 河井一浩
【対 象】
2000年1月から2009年12月の間に鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学講座皮膚科学分野で診断された成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の方が対象となります。
【研究機関名】
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学講座皮膚科学分野
宮崎大学医学部皮膚科
産業医科大学医学部皮膚科
独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床研究部腫瘍統計学研究室
福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学講座
【目 的】
ATLは、検査データと病気の広がりによって、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型という4つのタイプ(病型)に分けられます。急性型あるいはリンパ腫型と診断された場合は、通常、速やかに複数の抗がん剤の組み合せによる強力な治療(化学療法)を行う必要があります。一方、慢性型で検査データ上、尿素窒素、乳酸脱水素酵素、アルブミンが正常範囲内の場合とくすぶり型では、進行がゆるやかなことが多いため、はじめから強い抗がん剤は使用せずに経過を観察して、急性型あるいはリンパ腫型に進行した時点で強力な化学療法を開始する方がよいと考えられています。また、くすぶり型・慢性型では皮膚に病変があることが多く、皮膚の病変に対する治療は主に皮膚科で行われます。
くすぶり型・慢性型でも急速に進行する場合がありますが、くすぶり型・慢性型の経過を予測できる因子(予後予測因子または予後因子と呼ばれます)は明らかにされていません。鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学講座皮膚科学分野では、くすぶり型・慢性型ATLの予後因子を解明するために血液内科と皮膚科の多施設共同研究に参加しています。
本研究は血液内科と皮膚科でそれぞれ診療されているくすぶり型・慢性型ATLを多数集めて解析することにより、予後因子を明らかにして診療に役立てることを目的とします。
【方 法】
2000年1月から2009年12月の間に鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学講座皮膚科学分野で診断されたくすぶり型・慢性型ATLのカルテから年齢、性別、病型、検査データ、皮膚病変、経過などのデータを調査します。同様な調査は宮崎大学医学部皮膚科と産業医科大学医学部皮膚科でも行われます。住所、氏名など個人を特定できる情報を消して匿名化した状態のデータを福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学講座に送り、コンピューターに入力後、独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床研究部腫瘍統計学研究室でデータを管理し、解析が行われます。本研究で集められた皮膚科で診断された症例とすでに登録されている血液内科で診断された症例を合わせて統計学的な解析を行い、くすぶり型・慢性型ATLの予後因子を明らかにします。
【意 義】
本研究により、くすぶり型・慢性型ATLの予後因子が同定できれば、今後、進行の危険性をより正確に予測できるようになります。進行の危険性が低い場合は不要な検査や過剰な治療を避けることができ、進行の危険性が高い場合は注意深い経過観察によって時期を逸せずに治療を開始できるようになります。また、本研究の結果は、くすぶり型・慢性型ATLに対する新しい治療法の開発にも役立てることが出来ます。
【個人情報の扱い】
調査結果の発表や出版に際しては個人が特定されるような情報は掲載しません。また得られた資料は研究計画書に記載した以外の研究には使用しません。個人情報は鍵のかかる保管庫で管理し、研究終了後に破棄します。
なお、データの解析が行われる福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学講座と独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床研究部腫瘍統計学研究室には、住所、氏名など個人を特定できる情報を消して匿名化した情報のみが送られます。
【問い合わせ先】
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
先進治療科学専攻感覚器病学講座皮膚科学分野
准教授 河井 一浩(カワイ カズヒロ)
〒890-8544 鹿児島市桜ヶ丘八丁目35番1号
TEL 099-275-5388 FAX 099-275-1134