
教授ごあいさつ
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「先生はなぜ耳鼻咽喉科医になったのですか?」学生や知人によくたずねられる質問です。
学生時代、外科系の診療科にはあこがれていましたが、講義や臨床実習の中で耳鼻咽喉科に何か特別な興味を抱くことはありませんでした。
それどころか、子供のころ近くの耳鼻咽喉科を受診したときの恐怖感、薄暗い部屋で額帯鏡に電球の光を反射させて診察している光景、耳鼻咽喉科領域の解剖や生理の複雑さから、「怖い」、「暗い」、「難解」というネガテイブな印象のほうが強かったように思います。
その私が、耳鼻咽喉科医となり、しかも、この歴史ある鹿児島大学の教授として仕事をさせていただいているのですから自分でも不思議です。
耳鼻咽喉科を選択した理由はいずれお話しするとして、私が今実践していること、そして夢に描いていることは、すべてその耳鼻咽喉科に対するネガテイブなイメージを払拭することが原点になっているような気がします。
診療では、国立大学病院としては全国に先駆けて診察室をすべて個室にし、光学機器設備を充実させました。
まだまだ、不備な点も多々ありますが、「優しく」「思いやりのある」「明るい」かつ「先進的」な診療が行えるようになったと自信をもっております。
研究では、「上気道感染症と粘膜免疫」をテーマに、経鼻ワクチンによる上気道感染予防法の確立を目指しています。「アレルギー」も重要なテーマであり、免疫学的な側面から基礎的・臨床的研究を進めています。
少人数の教室ですが、学生そして研修医の教育にも全力を尽くしております。耳鼻咽喉科領域の疾患は一見難しそうですが、機能的な病態を理解する力さえ身につければ、高度な医療の実践もそれほど困難ではありません。
耳鼻咽喉科学の面白さを若き医師に伝え、その深さをともに学び、鹿児島はもちろん我国さらには世界をリードしていける教室を目指して努力を重ねたいと考えております。
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
先進治療科学専攻 感覚器病学
聴覚頭頸部疾患学
教授 黒野 祐一