看護学領域には、基礎看護・地域看護学分野、臨床看護学分野の2分野を置き、専門的立場から保健・医療・福祉に関する多様化したニーズに対応できる実践的な専門看護職者と教育・研究者の育成を行います。

基礎看護・地域看護学分野

これからの看護学においては、人々の多様なニーズを捉え、保健医療福祉システムの変革や複雑かつグローバル化する健康問題に柔軟に対応する能力が 要求されます。そのために基礎看護学の分野では、適切な看護を提供するための看護科学の基盤となる理論と技術、及び看護病態学的課題について 教育・研究を行います。また地域看護学の分野では、ヘルスケアの需要者、供給者にとって望ましいシステムを構築するために、 臨床/技術的レベル、制度/政策的レベルでの問題解決能力を身につけることを目標とします。さらに看護疫学的課題についても教育・研究を行います。

研究分野として、以下のようなテーマがあげられます。

  1. 主要な看護理論の構成概念の分析を基にした新たな理論モデルの構築、及び実践方法論としての看護過程と看護診断の開発に関する研究
  2. 治癒困難ながん患者や中枢神経系障害などの複雑な背景を持つ患者-看護者関係の成立要因、及び関係構築の方法論に関する研究
  3. クリティカルシンキング・アプローチによる看護実践と看護学教育に関する研究
  4. 看護技術のエビデンスに関する実験的研究
  5. 生物学的視点に基づく看護病態学に関する研究
  6. ヘルスサービス利用に関する研究
  7. 地域看護の展開のための方法論開発
  8. 保健医療の質の評価に関する研究
  9. ヘルスプロモーションに関する研究
  10. 看護情報の標準化に関する研究

臨床看護学分野

看護にとっての臨床は、医療施設だけでなく社会復帰施設や家庭・地域など、人々が生活する場のすべてです。当分野ではこれらの様々な場で生活する人々の健康に関連する課題を、その場の特性や対象の心身の成長・発達特性を踏まえて総合的かつ実践的に把握し、人々がより健康的でQOLの高い生活を実現できるように看護のできる人材を育成します。主な研究テーマは次の通りです。

精神看護学では、

  1. 精神・心理的な健康問題や障害をもつ対象との援助関係や援助方法に関する研究

成人・老年看護学では、

  1. 成人・老年期にある対象の身体的・心理的・社会的発達特性を踏まえた援助方法に関する研究
  2. 慢性・急性期並びにリハビリ期や終末期などの過程に応じた援助方法に関する研究

母性看護学では、

  1. 性と生殖の健康にかかる援助方法に関する研究
  2. 周産期の健康管理と役割課題における発達・危機にかかる援助方法に関する研究
  3. 分娩と緊急事態への対応・方法論に関する研究
  4. 母子・夫婦の関係構築の方法論に関する研究

小児看護学では、

  1. 健康レベルの改善を目指す看護論に関する研究
  2. 成長・発達とQOLを目指す援助論に関する研究

等です。

放射線看護専門コース

実践的な専門看護職者としては、放射線医療における専門的知識と実践力を基盤とし、患者とその家族に対して、個別的、全人的な看護が実践できる能力を有する人材を養成します。

特に、放射線医療の看護において、科学性と自律性・社会性を身に付けた高度専門職業人を育成します。
さらに、科学的独創性と国際性豊かな看護実践能力を有し、社会貢献の中核をなす人材を育成することを目指します。

助産学コース

助産学コースでは、コースを修了すると、助産師国家試験受験資格が取得できます。助産学コース科目で妊娠期の健康診断を実施し、分娩期・産褥期につなげる実践能力を養い、前期博士課程科目では、日本周産期・新生児医学会・新生児蘇生法専門コース認定の資格取得も可能であり、また、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する知識を深め、性教育等を実践することにより、高い実践能力を養います。離島実習では、地域の周産期医療の現状を知り、母子保健をマネジメントができるとともに、 実習などの実践を通して抽出した課題について研究を行い、問題解決能力を持つ人材を育成します。

 

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