平成24年度文部科学省「専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業」について

放射線看護専門的看護師養成教育課程事業 
~共同教育課程を目指した大学間連携~
鹿児島大学医歯学域医学系 教授 松成裕子
 
本学では、平成24年度に放射線看護専門コースを設置し、2名の学生が入学して事業を開始しました。そして、これを平成24年度文部科学省「専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業」(Good Practice; GP)に申請し、採択されました。この事業は、福島原発事故後に明らかになった緊急被ばく医療を担える専門職の不足と、看護師の基礎教育に放射線に関する科目が不足することによる知識不足を解決するために、放射線医療に関わるこのとのできる専門的看護師を育成することが目的です。
この専門的看護師とは、GP補助事業のプログラムを実施することにより、「放射線のリスクを抱える住民の不安の相談に応じることができる」「所属機関における被ばくの対応全般において指導的役割が果たせる」、さらに「放射線リスクコミュニケーションにおける中心的役割を担うことで、チーム医療を推進する高度実践能力を備える」ように育成するものです。また、日本における看護の専門分野として、新たな専門領域の創設を目指すものでした。
新たな専門分野として特定されるためには、本学の放射線看護専門コース、長崎大学大学院、弘前大学大学院の三大学がそれぞれの優位な研究教育資源を相互に活用し、人材を養成して行くことで可能となる取り組みとなります。そして、平成28年1月には日本看護系大学協議会の高度実践看護師(専門看護師)教育課程認定委員会から看護の専門分野として「放射線看護」が認定されました。本学も、平成28年度には教育課程を申請し、平成29年度には、高度実践看護師(専門看護師)教育課程が認定された大学院の教育機関としてスタートします。
この放射線看護専門コースは、今年度(平成28年度)には、修了生6名、在学生1名になり、平成25年度に修了した2名が環境省へ出向し、活躍しています。これは、放射線看護を専門分野として系統的に学んだ看護職がいないことから、環境省からの要望で実現したものであり、本事業の成果として評価すべきものとして捉えています。
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