インフルエンザ influenza

 

 

 

当院のインフルエンザ対策の基本方針

 

当院の最も重要な役割は、2次医療機関で治療不可能なインフルエンザ重症患者の受け入れと集中治療である。従って、外来におけるインフルエンザ患者の1次診療は基本的に行わない。しかし、当院に通院する患者がインフルエンザを発症するため、外来診療体制を整えておく必要がある。

また、当院の入院患者はインフルエンザに罹患すると重症化するハイリスク患者がほとんどであり、病棟でのアウトブレイクを未然に防ぐ必要がある。そのため、職員自身の感染防止職員から患者への感染防止、および付き添い家族や見舞客からの感染防止に努めることが重要である。

 

入院患者発生時のフローチャート

臨床症状と感染経路

初期対応(医科)

初期対応(歯科)

時間外入院依頼

発生の予防

職員へのワクチン接種

患者へのワクチン接種

発生時の対応

入院患者に発生した場合

職員が発症した場合

職員の迅速検査

抗インフルエンザ薬の投与

入院患者のPCR検査

重症化への危険徴候

付き添い家族へのワクチン

                

 

入院患者発生時のフローチャート

 

 

臨床症状と感染経路

 

典型的なインフルエンザは、急激な経過で高熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状があらわれ、これらの症状と同時に、またはやや遅れて、鼻汁、咽頭痛、咳などの呼吸器症状が出現する。発熱は23日ほど続き、その後次第に症状は軽快し、1週間程度で治癒する。しかし、軽度の症状で終息するインフルエンザウイルス感染や不顕性感染もあり得る。潜伏期は通常1〜3日である

感染経路は、ほとんどは飛沫感染による。患者のくしゃみや咳によって、ウイルスを含む飛沫が呼吸器に侵入して感染がおこる。直接接触感染やよく触れる部位などの環境を介した間接接触感染も考えられている。さらに、狭い閉鎖空間では、こまかい飛沫核が浮遊することによる空気感染も起こり得る。乾燥した部屋では感染力が強まる。

 

外来での初期対応(医科                           

 

1.   発熱や呼吸器症状を有する患者への問診の徹底

@       インフルエンザ患者との接触歴

A       周囲(職場・学校・家族)でのインフルエンザ様症状を有する者の有無

2.   日勤時間内にインフルエンザ疑い患者からの診察依頼があった場合

(1)   電話による問い合わせ

1)    当院に通院中ではない患者の場合(紹介患者や緊急を要する場合は除く)

当院では一次診療は基本的に行っていないため、他の医療機関を受診するようお願いする。

2)    当院に通院中の患者や紹介患者の場合

@       可能であれば、他の医療機関を受診するよう依頼する。

A       受診する場合は、マスク着用を指示し、到着時は受付窓口に届け出るよう依頼する。

(2)   直接来院した場合

@       事務職員はサージカルマスクを着用し、患者にも着用させ、特殊診察室へ誘導する。

A       特殊診察室が使用中の場合は、医療相談室へ誘導する。

B       上記2室が使用できないときは、他の患者との間隔を12m以上保てる場所(または所定の待機場所)で待ってもらう。

C       事務職員は受付け手続きを行い、担当診療科へ連絡する。

再診患者は再診診療科が、初診の成人は内科の総合診療当番医、小児(15歳未満)は小児科が担当する。看護師は担当医師の所属する看護師が対応する。

D       担当医師・看護師はサージカルマスクを着用し、診療を行う。

E       疑い患者の診察や検査*は、特殊診察室または医療相談室で行う。午後は開いている診察室の利用も可。

F       インフルエンザ患者は基本的に自宅療養とする。

G       重症患者は、関連診療科に相談の上、入院とする。

H       11時から17時は原則緊急患者のみを対象とする(診療科はCと同様、他の診療科の協力が必要な場合は、関係診療科等と連携して連携して診療にあたる)。

I       患者対応の診療科から依頼があった場合は、関係診療科は可能な限り協力する。

 

3.   休日や夜間帯にインフルエンザ疑い患者から診察依頼があった場合

(1)   電話による問い合わせ

1)    事務当直者は救急当直医師に電話をつなぐ。

2)    当院に通院中ではない患者の場合(紹介患者や緊急を要する場合は除く)

当院では一次診療は基本的に行っていないため、他の医療機関を受診するようお願いする。

3)    当院に通院中の患者や紹介患者の場合

マスク着用の上、到着時、1階玄関の事務当直へ届け出るよう依頼する。

 

(2)   直接来院した場合

@       事務職員は救急担当当直医師と救急担当看護師に連絡し、受付けを行う。患者にマスクを着用させる。

A       救急当直医師は診療場所(救急外来、診療科外来、特殊診察室など)を事務職員へ指定する。(必ずしも特殊診察室である必要はない。ただし、病棟への立ち入りは禁止)

B       救急担当看護師はサージカルマスクを着用し、患者を指定の診察場所へ誘導する。

C       救急当直医師はサージカルマスクを着用し診療や検査*を行う。

D       救急当直医師は、必要があれば、関連診療科医師(15歳以下であれば小児科当直医師)と相談し対応する。

E       インフルエンザ患者は基本的に自宅療養とする。

F       重症患者は、診療科に相談の上、個室に入院とする。

 

*インフルエンザ迅速抗原検査の検体採取の際は、手袋、サージカルマスクを着用する。飛沫を顔にあびる可能性があるので、ゴーグルまたはフェースシールドの着用が望ましい。

 

 

外来での初期対応(歯科)                            

 

1.   発熱や呼吸器症状を有する患者への問診の徹底

@   インフルエンザ患者との接触歴

A   周囲(職場・学校・家族)でのインフルエンザ様症状を有する者の有無

2.   入院患者に感染を広げないために、付き添い家族や見舞客のインフルエンザ症状の   有無、周囲でのインフルエンザ症状を有する者の有無を確認する。

3.   直接来院した場合の判断

@   歯科診療を必要とし発熱を伴う再診患者及び紹介状持参患者が来院した場合は、主治医の判断により対処する。なお、初診患者の場合は、歯科総合診療部が対処する。

A   内科診療を依頼された場合は、当院では一次診療は基本的に行っていないため、

他の医療機関を受診するようお願いする。

4.   電話による問い合わせ

@   通院中ならびに紹介患者は担当診療科が、初診患者は歯科総合診療部が電話の対応を行う。時間外は歯科当直医師が電話の対応を行い、必要があれば各担当診療科へ連絡する。

A   電話対応者はインフルエンザならびに口腔内の症状を聞き、緊急を要しない場合はインフルエンザが治癒してから受診するように依頼する。

B   緊急な処置を要する患者(緊急を要する処置かどうかは電話対応者が判断する)の場合は、患者に「来院に際してはマスク着用の上、受付の際は出来るだけ人と1〜2m以上離れて待機する」ように電話で指示する。

C   当院に受診した後は、「直接来院した場合」に準じて対応する。

5.   直接来院した場合

@   事務職員はサージカルマスクを着用し、患者にも着用させ、速やかに2階の全身管理歯科治療部内の特殊治療室(以下、陰圧室)へ誘導する。

A   患者の移動は他の人への感染防止に十分配慮し、人や病院内のドアノブなどへの接触ができるだけないようにする。エレベーターは使用しない。

B   事務職員は通院中ならびに紹介患者は担当診療科に、初診患者は歯科総合診療部に連絡する。

C       歯科医師ならびに看護師、歯科衛生士はサージカルマスクとゴーグル(フェイスシールド)を着用し、医療面接ならびに必要であれば口腔内診察を行う

D       緊急の歯科処置を要しない場合

1)    事務職員で事務処理・会計を行い、患者は陰圧室から外来待合を経ないで玄関に直行し、帰宅してもらう。

2)    投薬がある場合は薬剤部から2階へリフトで運び、陰圧室で手渡す。

E       緊急の歯科処置を要する場合

    (緊急の歯科処置内容は各担当診療科および歯科総合診療部の歯科医師が判断する)

1)    診療科の歯科医師ならびに看護師、歯科衛生士はN95マスク、ゴーグル、ゴム手袋、ディスポのエプロン、帽子を着用する。

2)    歯科治療時には、歯科用ユニットまわりをラッピングして治療する。

3)    歯牙削合などの処置時には口腔外バキューム装置を使用する。

4)    投薬がある場合は薬剤部から2階へリフトで運び、陰圧室で手渡す。

5)    診療終了後は事務職員が事務処理・会計を行い、患者は陰圧室から外来待合を経ないで玄関に直行し、帰宅してもらう。

6)    治療終了後、診療科歯科医師ならびに看護師、歯科衛生士は入念な手洗い、うがい、洗顔を励行する。

7)    患者が触れた部位は、アルコールクロスによる清拭を行う。

 

発生の予防(事前に行うべき対策)

 

(1)院外からの持込防止

 

@   流行期には、担当医は入院予定患者にインフルエンザ症状の出現に対する注意喚起を行い、また入院患者が来院した際は外来または病棟への入棟前に38℃以上の発熱、鼻水・鼻づまり、咽頭痛、咳などインフルエンザ様症状の有無、および1週間以内にインフルエンザ発症者との接触がなかったか確認を行う。

A   流行期には入院患者の家族、面会者などの病室への入室にあたっては、上気道症状や発熱の有無についてスタッフステーションで確認する。

B   インフルエンザ感染の可能性がある場合は、事情を説明の上、入室を制限する。

C   「咳エチケット」についてのポスターを病院入口、病棟入口に明示し、外来患者や面会者への「咳エチケット」の浸透を促す。

D   病院入り口にマスクの自動販売機を設置しているので、マスクを持参していない場合は購入してもらう。緊急の場合は、病院のマスクを提供する。

E   鹿児島県内でインフルエンザの流行発生注意報が発令された場合は、家族以外の面会者に対して病室への入室制限を検討する。

 

(2)職員へのインフルエンザワクチン接種

 

@  医療従事者は、職員から入院患者への伝播を防ぐために、毎年1回ワクチンを接種する。

A  病院で勤務する大学院生、ボランティア等にも当院でワクチンを接種する。実習学生にも接種を勧奨する。

B  予防接種の効果があるのは、おおむね接種2週間後から5か月間と言われており、通常の流行期は1〜2月であることから、接種時期は11月初旬〜中旬に行う。

C  職員のインフルエンザワクチン接種の費用は全額病院が負担する。

E       正規の職員以外でも、患者と常時接触する者はワクチンを接種する。

 

(3)患者へのインフルエンザワクチン接種

 

@  病棟責任者(病棟医長・病棟師長)はすべての入院患者で心肺系の慢性疾患、糖尿病、腎疾患、免疫不全状態等の有無を確認し、あらかじめインフルエンザに罹患した場合のハイリスク群について把握しておく。

A   65歳以上の者および60歳以上または65歳未満の者であって心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能障害を有するもの、免疫抑制状態にあるものに対する予防接種は特に勧められており、予防接種の意義、有効性、副反応の可能性、かかる費用等を十分に説明して同意を得た上で、自費でワクチンを接種することが望ましい。

B   ワクチン接種予定者は、あらかじめ1週間前に医務課に予約する(費用の確認のため)。医務課は問診表等を準備し、接種予定者と調整を行う。調整終了後、主治医へ報告する。

C   主治医はThinkで接種当日に注射処方をして薬剤部で受け取り、病棟で接種する。

D   ワクチンは自費診療であり、電子カルテ左上の「保険自動設定」を「自費」に変更して処方する。

E   接種前に必ず予診票の記載を確認する。

F   外来患者は、基本的には当院ではなく近医で接種してもらう。ただし、主治医が当院での接種が必要と判断する場合は、各自外来で接種できる(上記Bの手続きが必要)。保険診療を伴う場合は、混合診療を防ぐため医務課で保険診療の計算を終了の上、自費診療を開始する。

G   接種時期は12月初旬までに行うことが望ましい。

 

(4)付き添い家族へのワクチン接種

 

@   付添い家族については、基本的には地域の医療機関での接種をすすめるが、医師が必要と判断した場合は病棟で取りまとめ、本院において自費で接種できる。

後述の付添い家族へのワクチン接種を参照。

 

(5)流行期における新規入院患者と患者の外泊時の健康状態の把握

 

新規入院患者

1.         インフルエンザ様症状がある場合は可能であれば入院を延期し、入院の必要がある場合は個室隔離などの飛沫感染予防策を遵守する。

2.         1週間以内に家族や身近な人、同居者等でインフルエンザ発症者と接触があった場合は、タミフル等の予防投与や隔離を検討する。発症の可能性があるため、医療従事者は症状の有無の確認を行い、可能であれば入院を延期する。

患者の外泊時

1.外出・外泊前にインフルエンザ感染の可能性について、感染予防の重要性について説明する。

2.入院患者が外泊から帰院時には、健康状態を再確認する。

3.流行期には、外泊中にインフルエンザ患者と接触がなかったかどうかについても問診を行い、接触があった場合はタミフル等の予防投与や隔離を検討する。

4.外泊中にインフルエンザ症状が出現した場合は、事前に病棟に電話し指示を受けるように説明する。

5.帰院後数日は発症の可能性があるため、医療従事者は症状の有無の確認を行う。

 

(6)職員の健康状態の把握

@   外部との出入りの多さから考えて、病院職員が病院にインフルエンザを持ち込む可能性が高い。

A   日常からの健康管理と流水と石けんによる手洗いなどの衛生管理が重要である。

B   インフルエンザを発症した家族や他職員と接触した場合は自身も発症するリスクがあることを考慮し、インフルエンザ様症状の出現に注意する。

C   発熱(微熱も含める)や鼻汁・咳嗽・咽頭痛などの上気道症状を呈するときは、すみやかに病棟責任者に連絡し、マスクを着用し患者との接触をできる限り避ける。

D   病棟医長・病棟師長は、流行期には所属職員のインフルエンザ様症状の有無を把握するよう努める。

 

発生時の対応

 

(1)インフルエンザを疑わせる入院患者が発生した場合

 

@   発熱、上気道炎症状などインフルエンザ疑い患者がみられた場合、問診と診察の上、インフルエンザ抗原検査(本院はキャピリアFluAB)を行い、すみやかに診断を試みる。

A   インフルエンザ抗原検査は、Thinkに入力後、鼻腔拭い液を採取し提出する。結果はThink上で確認する。時間外の検査結果は検査部より病棟へ電話連絡し、翌日Think上に表示される。

B   インフルエンザ抗原検査陽性例は検査部よりICTメーリングリストで報告する。

C   感染していても発症初期(発症数時間)は抗原検査が陰性となる場合があること、偽陰性になることもあるため、抗原検査が陰性でもその判断は慎重に行う必要がある。

D   翌日も同症状が続く場合は、抗原検査を再検することも検討する。

 

(2)入院患者にインフルエンザが発生した場合

 

@   インフルエンザ抗原検査が陽性でインフルエンザが確定した場合、担当医はリスクマネージャー(病棟医長・病棟師長)へすみやかに連絡し、またリスクマネージャーは感染制御部門(川村9569または折田9365)に報告し、同室者および濃厚接触者のリストを作成する。→入院患者インフルエンザ発生届

(時間外の連絡は、迅速な対応が必要とされる状況か集団発生が予測される場合のみとし、それ以外は翌日報告で可)

A   患者へ抗インフルエンザ薬を投与し、個室隔離による飛沫予防策を実施する。患者状態が安定している場合は自宅退院も考慮する。患者と接触する職員は、サージカルマスクを着用する。エプロンは気道分泌物で白衣が汚染するおそれのある場合は着用する。

B   病棟での個室隔離が困難な場合は、感染症病室の利用を検討する。

C   隔離期間は基本的には7日間を目処とし、咳嗽などの症状の程度によっては延長する。

D   発症時に同室である等濃厚接触が明らかな患者もインフルエンザを発症する可能性があるため、これら患者は準感染患者として個室隔離または同一病室へコホーティングし、抗インフルエンザ薬の予防内服を考慮する。隔離期間は4日間を目処とする。患者と接触する職員は、サージカルマスク着用等飛沫予防策を実施する。

E   予防投与は、添付文書では117日間であるが、曝露が一時的であれば治療量(125日間)での投与が望まれる。予防投与の費用は、感染制御部門に相談の上、病院負担とするかどうかを協議する。

F   インフルエンザ患者に対し気管内挿管や気管支鏡などエアロゾルが発生する処置を行う場合は、N95マスクを使用し空気感染対策をとる。

G   患者と予防具なしに接触した職員は、数日中にインフルエンザを発症する可能性があることを自覚し、症状出現時は早めのマスク着用など、伝播防止に努める。症状がない限りインフルエンザ抗原検査を行う必要はない。

 

(3)職員にインフルエンザが発生した場合

 

@   呼吸器症状(咳、鼻汁、鼻閉、咽頭痛)がある場合は、早めにサージカルマスク着用し手指衛生を徹底する。

A   発熱があるときは出勤せずに、リスクマネージャーに連絡し近医受診を行う。出勤後インフルエンザ様症状をともなう発熱があった場合は、サージカルマスクを装着し、入院患者や他職員との接触をさけ、リスクマネージャーへ報告の上迅速検査を行う。

B   インフルエンザ抗原陽性または抗原陰性例でも明らかなインフルエンザ様症状(37.5度以上の発熱、上気道炎症状、全身倦怠感)を認める職員はインフルエンザ発症例とし、発症職員を認めた場合、リスクマネージャーは感染制御部門(川村9569または折田9365)に連絡する。(時間外の連絡は、迅速な対応が必要とされる状況か、集団発生が予測される場合のみとし、それ以外は翌日報告で可)

C   発症職員所属部署のリスクマネージャーは感染制御部門(川村9569または折田9365)に報告し、病棟医長・病棟師長と協力の上、発症職員が発症前日より直接接触した入院患者のリストを作成する。感染制御部門は該当部署と情報共有を行い、また該当入院患者の病棟医長・病棟師長は接触入院患者のインフルエンザ症状出現を注意する。発症者とマスク無しでの長時間(おおよそ30分以上)接触など濃厚接触が明らかな場合は予防投与も考慮し、該当職員のリストアップも行う。インフルエンザ発症職員報告書

D   発症時に職員がマスク着用をしておらず、飛沫感染の可能性がある入院患者については、感染制御部門および該当入院患者の入室病棟のリスクマネージャーで協議の上抗インフルエンザ薬の予防投与を検討する。

E   リスクマネージャーは発症職員と接触した職員もインフルエンザを発症するリスクがあることを考慮し、所属職員のインフルエンザ様症状の出現をチェックする。

F   発症した職員は、発症から5日間かつ解熱後2日を経過するまで自宅療養する。ハイリスク患者のケアは、発症後7日間かつ呼吸器症状が消失するまで制限する。

G   勤務復帰後も発症から7日間が経過するまでは、患者や職員と1〜2m以内で接触するときはサージカルマスクを着用する。

 

(4)学生・実習生にインフルエンザが発生した場合

 

@   各講座、部署の実習担当者は学生・実習生にインフルエンザ様症状がないか把握する。

A   呼吸器症状(咳、鼻汁、鼻閉、咽頭痛)がある場合は、早めにサージカルマスク着用し手指衛生を徹底する。

B   発熱があるときは実習に参加せず、実習担当者へ連絡し近医受診を行う。また実習中に発熱があった場合も実習担当者へ連絡し、帰宅し近医受診を行う。

C   インフルエンザ抗原陽性または抗原陰性例でも明らかなインフルエンザ様症状(37.5度以上の発熱、上気道炎症状、全身倦怠感)を認める学生を認めた場合、実習担当者はリスクマネージャーを通し感染制御部門(川村9569または折田9365)に連絡する。(時間外の連絡は、迅速な対応が必要とされる状況か、集団発生が予測される場合のみとし、それ以外は翌日報告で可)

D   報告を受けたリスクマネージャーは病棟医長・病棟師長と協力の上、学生・実習生が発症前日より直接接触した入院患者のリストを作成し、感染制御部門および該当入院患者の入室病棟へ報告し、症状の発現に十分注意する。

E   発症時に学生・実習生がマスク着用をしておらず、飛沫感染の可能性がある入院患者については、感染制御部門および該当入院患者の入室病棟のリスクマネージャーで協議の上抗インフルエンザ薬の予防投与を検討する。

F   実習担当者は接触した学生・実習生もインフルエンザを発症するリスクがあることを考慮し、インフルエンザ様症状の出現をチェックの上実習の可否を検討する。

G   発症した職員は、発症から5日間かつ解熱後2日を経過するまで自宅療養する。

H   発症から7日間が経過するまでは、患者や職員と1〜2m以内で接触するときはサージカルマスクを着用し、ハイリスク患者との接触はさける。

 

(5)集団発生の場合

 

@       インフルエンザの集団発生の定義は明確にされてはいないが、当院においては、特定の病棟の入院患者3名以上が1週間以内にインフルエンザに罹患した場合と定義する。

A       集団発生がみられたら、感染制御部門は病院長へすみやかに連絡の上、患者の隔離または患者の一室への収容(コホーティング)、抗インフルエンザ薬予防投与等感染対策を策定し、必要に応じ臨時ICTスタッフ会議を開催する。

B       同一病棟の入院患者で10名以上のインフルエンザ発症者を認めた場合は保健所へ連絡し、新規入院患者の制限や病棟閉鎖も検討する。

 

職員の迅速検査

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

テキスト ボックス: 検査結果にかかわらず、有症状者は自宅療養が望ましい。
37.5℃以上の発熱がある場合は、検査結果に関わらず自宅安静とし、流行期で上気道炎症状と全身倦怠感がある場合は迅速検査陰性でもインフルエンザ発症の可能性を考慮する。
発熱がなく呼吸器症状のみでも、迅速検査陽性の場合は自宅安静。
発熱がなく呼吸器症状のみで、迅速検査陰性の場合、やむをえず勤務を継続する場合はマスクを着用し、手指衛生を励行する。
迅速検査陰性の場合で、再検査を希望する場合は、翌日1回までとする。

テキスト ボックス: インフルエンザと診断された場合は、リスクマネージャーを通じて、感染制御部門(5708)へ連絡する。
出勤停止期間は、これまで通り「解熱後2日かつ発症から5日間」で公休です。
 

 

 

 

 

 


職員迅速検査書類(ダウンロード) 申し込み書 結果報告書 唾液検査説明書

 

1)    対象:インフルエンザ流行時、勤務中に発熱・咽頭痛などインフルエンザが疑われる症状を呈した職員

2)    場所:検査部細菌検査室

3)    日時:平日の830分〜1715分(休日や時間外は所属部署の当直医師に相談)

4)    連絡先:細菌検査室(9367)、感染制御部門(5708

5)    方法

@       鼻咽腔検体を用いたイムノクロマト法による迅速診断(所要時間約15分)

A       唾液検体を用いたSGNP-RT-qPCR法(詳細は4に後述)(結果は後日報告)

6)    検査者:細菌検査室技師または感染制御部門医師

7)    費用:無料(迅速診断キット費用は病院負担)

8)    検査者の予防具着用、検査場所の固定化など検査部での伝播予防に十分注意する。

9)    休日・時間外は、部署の当直医師に相談し、医師が対応可能であれば、緊急検査室でキットを受け取り、検体を提出する(キットの検査は検査部が行う)

 

 

唾液検体を用いたSGNP-RT-qPCR法について

1)    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻の隅田泰生教授研究室において開発された新たな高感度ウイルス検出法である。

インフルエンザウイルスとの結合力が強いヘパリンを固定化した金ナノ粒子(SGNP)で検体中のウイルスを処理し、遠心分離で濃縮、その後リアルタイムRT-PCR法を行う。

これまでRT-PCR法の1000倍程度感度が優れており、唾液中の同ウイルス検出が可能である。昨年のパイロットスタディでは、成人鼻腔検体PCR陽性者に対する唾液検体の感度は100%であった。

検体は小児科研究室で前処理後、隅田研究室へ送付して測定するため、結果判明まで2日程度要する。

本検査による臨床研究は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科疫学倫理委員会の承認を受けている。(受付番号164、平成22118日承認、研究代表者・小児科 西 順一郎)

 

 

抗インフルエンザ薬の投与

 

1.インフルエンザ患者の治療の目安

ハイリスク者*は、検査結果に関わらず発症早期から投与する。

 *ハイリスク者:妊婦、乳幼児、高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患(気管支喘息等)・慢性心疾患・代謝性疾患(糖尿病等)・腎機能障害・免疫機能不全(ステロイド全身投与等)などの基礎疾患を有する者

健常者は服用しなくとも軽症で経過することがほとんどであるが、ごくまれに重症化例もみられるため、症状によって投与を検討する*

*日本感染症学会では、基礎疾患の有無に関わらず、すべての年齢層で早期投与を推奨している。

重症者や重症の徴候のある者には、検査結果に関わらず早期から積極的に投与する。

2. 予防投与の基準

予防投与の基準に関するインフルエンザ発症者はインフルエンザ迅速検査陽性例のみとし、発熱または呼吸器症状が始まった日からの接触を対象とする

1)    入院患者に対する予防投与の実施基準

@       インフルエンザ発症者の同室者や濃厚接触があったと考えられる場合

A       複数の病室に渡ってインフルエンザ患者が発生し、病棟全体やフロア全体での予防投与が必要と判断した場合

2)    職員に対する予防投与を考慮する基準

@       当院での職務中に発症者と1-2mの近接する範囲においてマスク無しで長時間(おおよそ30分以上)会話するなど濃厚な接触が明らかな場合

A       同一部署内で同一時期に複数の職員が発症し、部署業務へ支障が懸念される場合

3.   外来患者への処方

発症患者への治療は保険診療、予防投与は自費診療となる。自費診療の場合、電子カルテ左上の保険自動設定をクリックして自費を選択して、理由を記載の上処方する。時間外など止むを得ない場合を除いて、院外処方とする。

保険診療と同時に自費診療を行う混合診療は禁止されているため、一度保険診療の会計を終了してから自費診療を開始する。

処方内容については、薬剤部から疑義照会を行い医療環境安全部へ連絡することがある。

4.入院患者・職員への処方

発症患者への治療は保険診療、予防投与は自費診療となる。自費診療の場合、電子カルテ左上の保険診療をクリックして自費を選択して、理由を記載の上処方する。院内における二次感染予防のため投与が必要な場合は、感染制御部門・ICTメンバーと相談の上、病院経費での処方を検討する。病院負担にする場合には、保険を特全校扱いにするため医務課(5150)、時間外は事務当直(5195)へ連絡する。処方はThink上で行う。

 

付添家族へのワクチン接種