教授挨拶

鹿児島大学神経内科・老年病学講座 高嶋 博

はじめに

平成22年の1月1日より、鹿児島大学神経内科・老年病学講座の教授を拝命いたしました髙嶋 博でございます。初代教授の井形昭弘先生(元鹿児島大学学長)、そして納 光弘先生(元鹿児島大学病院長)に続く、3代目の当科の教授職への就任となり、その重責に身の引き締まる思いであります。
私は、平成2年の鹿児島大学の卒業で、18歳で来鹿以来、20数年にわたり鹿児島の地にお世話になっております。私は神経内科を専門とし、特にニューロパチー、脊髄小脳変性症、筋萎縮症、遺伝性神経疾患、HAM、その他の神経難病を専門としておりますが、脳卒中、パーキンソン病、頭痛などの一般神経内科疾患も幅広く診療いたしております。

歴史

鹿児島大学の神経内科・老年病学講座は、日本においてももっとも規模の大きな神経内科教室のひとつで、以前は第三内科と呼ばれ、鹿児島大学の3つのナンバー内科のひとつでありました。そのため、神経内科、呼吸器内科、膠原病、糖尿病、感染症、血液凝固、輸血など幅広い疾患を診療してきた歴史があります。しかし、近年の鹿児島大学病院の臓器別診療体制(診療センター)構築のため、現在、診療科の枠組みが改変される最中にあります。平成22年1月現在は、神経内科・呼吸器内科・糖尿病性神経障害を中心として、上記のおおよその領域をカバーしております。(平成22年6月からは呼吸器内科は井上博雅教授のもと、新しい講座として独立いたしました。)
また、南九州地域に多くの拠点病院をもち、地域を網羅する形でネットワークを構築いたしております。神経内科領域では、脳卒中などの治療に急を要する疾患の地域全体の診療体制を県民の皆様のためにもより充実させて行きたいと考えております。

基本姿勢

当科の診療ポリシーは、“患者中心の診療を貫くこと” を基本姿勢としております。ここで、私どもの考える患者中心の医療についてご説明いたします。病気には、治せるもの・治らないもの、また、診断が容易なもの・難しいものがあります。
大学病院においては、簡単には治りづらいものや診断が困難な病気、また、合併症のために治療の副作用が出やすいなど、管理が難しいときによく紹介されてきます。そのような中で、診療をすることは、どの病院 / 医師にとっても容易なことではありません。しかし、私どもは、そのような中にあっても、時間をつかってよく考え、その各々にあった最善策を見いだすように努力を続けています。
病名が世の中に無い病気でも治療可能な場合もあり、きわめて特殊な疾患まで鑑別に入れ、可能な限りの治療を目指します。これらは患者と医療者の信頼関係の中で生み出されるものと思っております。

診療・研究

診療面では、鹿児島の地において、世界レベルの診療を提供することを目的といたしております。まず、それまでに世界的に確立された治療を行い、それが奏功しない場合でも、さらに、新しい治療に取り組んでいます。少なくとも神経内科領域の検査は、高いレベルで施行可能であります。
研究面では、患者由来の研究(Patient-oriented research)を行うことを基本にいたしております。それは、私どもの科に関連のある患者や南九州地域に起こっている問題を解決するのが鹿児島大学の使命と考えと思っております。代表的な例では、HAM(HTLV-I関連脊髄症)の研究がそれに当たると思いますし、様々な地域の疾患を研究いたしております。

教育

教育は、大学にとってもっとも重要なことであります。責任感と正義感にあふれ、職人のような技術を持った、すなわちプロフェッショナリズムあふれる医学生、研修医、そして専門医を地域に排出することを使命と考え、それに向けた教育をおこなっております。特に、専門医研修では、おのおのの医師が目指す理想の医師像・将来像にあわせて、各医師の研修を組み立てるキャリアパスの機能が重要と考えています。そのための最適なプログラムを準備しておりますので、当科でのやる気のある専門研修医のご希望者を随時募集いたしております。

おわりに

当科では、診療、研究、教育を国際的にも高いレベルでおこない、真に力を持った医師を養成し、さらに鹿児島県の一般医療、救急医療、難病医療を実践することが、患者中心の医療を行う上で不可欠と考えており、この実現のために邁進していきたいと思っております。

このページのTOPへ