脳神経内科のご案内

脳神経内科とは?

脳神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。整形外科や脳神経外科は手術をする外科にはいりますが、その内科的なものと考えていただけば、わかりやすいと思います。具体的には、頭痛、めまい、意識障害、手足の動きが悪い、体のバランスが悪く歩きにくい、体がしびれる、物忘れ、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、勝手に手足がふるえる・動くなどの症状を診ています。

よく脳神経内科は精神科、神経科、心療内科などと間違われることがあります。精神科、神経科、心療内科、主に『心の問題』を扱う科です。私たちは脳・脊髄・神経・筋肉自体の病気を診ます。診察領域をよりわかりやすいものにするために2018年、日本神経学会は「神経内科」の表記を「脳神経内科」に変更することを決定しました。全国の「神経内科」の表記も逐次「脳神経内科」に変更されます。これに伴い、当科の表記も2018年5月から「神経内科・老年病学」から「脳神経内科・老年病学」に変更いたしました。

当科では、脳神経内科関連疾患を全般的に診ていますが、その一部を御紹介します。

HTLV-Ⅰ関連脊髄症(HAM:HTLV-Ⅰ associated myelopathy)

HTLV-Ⅰ関連脊髄症(HAM)は、当科前教授の納 光弘らにより発見された慢性進行性の痙性脊髄麻痺を来たす疾患です。HAMは西日本特に九州地方に多く、これまでの経緯からも、多くの患者さんが当科にて診断・治療を受けられています。

HAMに対する研究成果も診断・検査・治療など多岐に渡り、その発見から現在に至るまで、世界をリードする役割を担っています。

診断・治療・治験/臨床研究参加希望者の方

新しい治療を希望(治験・臨床研究)される方は水曜日(新患日)に行っております(要予約)。

キャリア外来

献血時にHTLV-Iウイルス抗体陽性の通知をうけた方および血液検査でHTLV-Iウイルスの保因者といわれた方に対する相談・解説及び精密検査を行う特殊外来です。HTLV-1感染について調べたい方は水曜(新患日)あるいは金曜日(新患日)に行っております(要予約)。

http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/128.htm
http://www.minc.ne.jp/~nakusukai/index.atomu.htm

 

ニューロパチー

体の運動・感覚に重要な働きを担う末梢神経に異常を来たす疾患を診ます。当科では、神経電気生理検査・神経筋病理の長年の実績があり、それに基づく客観的な診断を行っています。

Charcot-Marie-Tooth病、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、糖尿病性ニューロパチー、Crow-Fukase症候群などを始めとする多くの疾患の診断・治療を行います。

 

近年の遺伝子検査の発達により明らかになったCharcot-Marie-Tooth病の原因遺伝子を解析しています。マイクロアレイを用いたDNAチップを利用し、網羅的な遺伝子解析を行っています。

難病情報センター(ギラン・バレー症候群)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/020.htm

難病情報センター(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/110.htm

難病情報センター(Crow-Fukase症候群)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/070.htm

脊髄小脳変性症

脊髄や小脳の機能が低下するためにふらついたり、喋りが悪くなったりする病気です。当科では、特に南九州・沖縄の遺伝性小脳失調症の研究を行っています。

難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/059.htm

プリオン病

鹿児島に多い遺伝性プリオン病であるGerstmann-Strausler-Scheinker症候群(GSS)の診断を行っています。

難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/106.htm

運動ニューロン病

運動ニューロンの障害により力が入らなくなる疾患です。代表的には筋萎縮性側索硬化症が挙げられますが、その診断において必要な各種疾患の鑑別を行っています。具体的には、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症(Kennedy-Alter-Sung病)、多巣性運動ニューロパチー(multifocal motor neuropathy)、平山病などの鑑別を行い、より確実な診断を心がけています。また、沖縄に多い沖縄型筋萎縮症の診断・研究も行っています。

難病情報センター(筋萎縮性側索硬化症)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/021.htm

難病情報センター(脊髄性筋萎縮症)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/060.htm

難病情報センター(球脊髄性筋萎縮症)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/017.htm

難病情報センター(多巣性運動ニューロパチー)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/066.htm

ミオパチー

各種炎症性筋炎(多発性筋炎、皮膚筋炎、封入体筋炎)、遺伝性筋疾患、ミトコンドリア病などの診断を行っています。

難病情報センター(多発性筋炎・皮膚筋炎)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/067.htm

難病情報センター(ミトコンドリア病)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/112.htm 

重症筋無力症

神経と筋肉間の信号の伝達が障害され、まぶたが下がる、物が二重に見える、飲み込みにくい、力が入らないといった症状を認めます。現在、重症筋無力症には各種治療法があり、多くの患者さんが軽快しています。当科では、単一線維針筋電図などの検査を用いた鑑別診断を行い、確実な診断・治療を目指しています。

難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/049.htm

チャネル病

チャネル病は神経や筋肉のイオンチャネルの異常による発症する疾患です。当科では、遺伝性ミオトニア症候群・遺伝性周期性四肢麻痺に対して、電気生理的検査と遺伝子診断などを組み合わせた診断を行っています。

ボツリヌス療法

眼瞼痙攀、半側顔面痙攣、痙性斜頸に対して、予約制で月2回(第2、4火曜日午後1時より)ボツリヌス療法を行っています。痙性斜頸はその適応、施注筋の決定、副作用の観察のために数日の短期入院下で実施しています。

臨床神経生理

当科で施行する筋電図検査はすべて、日本臨床神経生理学会認定医により行われています。年間約800~1000例の検査が行われ、医師による質の高い検査・診断が可能です。当科で施行可能な検査は、神経伝導検査、針筋電図(単線維筋電図を含む)、神経反復刺激検査、各種誘発電位(SEP、MEP、VEP、ABR)を始め、ほぼ全ての臨床神経生理検査を網羅しています。

その他

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