鹿児島大学 医歯学教育開発センター

教員日誌医歯学だより

No.11 医学教育を学ぶ (2)

新しい医歯学教育開発センターのスタッフで平成24年度が始まり、1ヶ月が過ぎようとしています。5月からは大学院の授業「医学教育入門」が始まります。これは医歯学総合研究科博士課程の学生向けに開講している医学教育を学ぶ科目です。教育の基礎から実践的技能まで、医学教育全体を学んでいただきます。自分の研究領域とは異なるけれども、将来リーダーを目指して後輩の指導にあたる博士課程の学生にとっては、絶対に役に立つ科目だと自負しています。15コマ相当分、20時間以上の指導者講習会は日本ではなかなかありません。しかも講習会のように短期詰め込みでは忘れてしまうことも、じっくり4ヶ月かけてくり返し学ぶことで疑問が解決し、考え方を身につけることができます。履修生は「成人」ですので、「入門」は成人教育学にのっとり、楽しく経験を生かしながら学ぶ授業を心がけています。医学教育では学位を取ろうと思っている人が履修する専門科目はそういうわけにはいきませんが。

医学教育あるいは医学教育学、医療者教育学は誰が学ぶべきでしょうか。診療参加型臨床実習の話題が出た時に必ず「屋根瓦方式」と呼ばれる指導体制が重要と言われますが、研修医であっても指導する能力が必要になり、教育技能、教育への熱心な態度は医師に欠くことのできないものであることがわかります。医学生はどうでしょうか。研修医に必要な能力であれば、学生のときからその基盤を学ぶことは重要です。イリノイ大学には臨床実習の選択科目の中に「医学教育」がありました。鹿児島大学の学生もグループ学習では教え合い、互いに評価しフィードバックし、その評価を受入れて向上する習慣を是非つけて欲しいと思います。私のところに「自主研究」で配属されて丸1年出入りして来た学生は、「学ぶ」ことを理解し、教育に関心を持ち、自己の学習を評価できるようになってきました。人を教えることだけではなく、生涯学んでいくためにも医学教育の知識は活用できるはずです。

しかし、講習会に自主的に参加する教員は多くありません。大学では教育を学び、優れた教育を実践することに対して、まだまだインセンティブが十分ではないことも一つの原因かと思います。

 

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