鹿児島大学医学部産科婦人科学教室

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更年期医学会を終えて 〜教授からの挨拶〜


第25回日本更年期医学会学術集会を終えて
鹿児島大学医学部産婦人科
堂地 勉

 第25回日本更年期医学会学術集会は平成22年10月2日(土)、3日(日)の2日間にわたり鹿児島市にて開催されました。学術集会のメインテーマは、「Change for the better さつまからの提言 」と致しました。オバマ大統領の演説でのchange、民主党政権へのchangeなどからchangeという言葉が昨今の流行語となっていました。更年期医学会も更年期周辺の医学、医療だけでなくトータルとしての女性のヘルスケアに展開していくべきではないかということが議論されてきました。そのような中で、明治維新発祥の地さつまから更年期医学会の進むべき道について何かを提言しようということでこのようなメインテーマとなったわけです。そして来年から、「日本女性医学学会」と名称を変え装いも新たに再出発することになります。このような節目に鹿児島で最後の更年期医学会学術集会を開催出来たことに感謝いたしております。

 様々な健康問題を抱えた中高年女性をトータルとして治療していくには、骨粗鬆症や動脈硬化症だけを議論するのではなく、今以上に多岐にわたる領域に拡がっていく必要があるかと思います。そのような意味でシンポジウムでは5人のエキスパートの先生たちに議論していただきました。招請講演3題、特別講演2題、教育講演6題、ワークショップ2題、スポンサードレクチャー3題組みました。招請講演としては島根大学内科杉本利嗣教授に「生活習慣病と骨代謝」と題して講演をしていただきました。内分泌疾患と比較して、代謝性疾患の骨に及ぼす影響についてはこれまであまり焦点が当てられていませんでしたが、骨・血管関連に関わる因子の一つとして、動脈硬化性疾患の基礎となる糖尿病や脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの骨への影響の検討が進みつつあります。この機序の解明は骨粗鬆症と動脈硬化症疾患の両方の治療につながる可能性もあります。矢沢珪二郎ハワイ大学名誉教授には米国の「Care of aging women」と題して米国の最新事情を講演していただきました。教育講演6題は更年期障害、早発閉経、栄養、ヘルスケア、尿失禁、乳癌、歯周病などを講演して頂きました。様々な角度から女性のトータルヘルスケアを考えることが出来たと思います。いずれも素晴らしい講演だったと思います。

 今回の学術集会は本土最南端に位置しますために、どれだけ多くの皆様に参加していただけるか正直不安なところもありました。しかし、627名と前年の青森とほぼ同じくらい多くの方々に参加して頂きました。この場をかりて厚く御礼申し上げます。懇親会では鹿児島の焼酎の4M(魔王、村尾、森伊蔵、三岳)を必死になって取り揃えました。鹿児島大学医学部の世界的テノール歌手(米沢傑病理学教授)の素晴らしいテノール独唱には会員の皆様も度肝を抜かれたかと思います。ひそかに自慢しております。

 医局員一同とともに、心をこめて企画・運営したつもりですが、至らない点も多々あったかと思いますことを御容赦願います。本学術集会が成功裏に終わりましたことに、水沼英樹理事長をはじめ、更年期医学会の役員、会員、演者の皆さまに心より御礼申し上げます。そして、今回の学術講演会が会員の皆様にとりまして「Change for the better」となったとすれば学会主催者として望外の喜びであります。
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