大腸ポリープ

血便をみて受診する人が多い病気です。消化管の出血は食道から肛門までのどこかに出血したときに血便がみられます。普通の便の周囲に赤い血液が付着している場合は大腸からの出血が多いようです。他の腹痛・発熱などの症状もないことや幼児の場合には大腸の若年性ポリープの可能性が高いと思います。

■若年性ポリープとはどんなものでしょうか。
◎腸管のポリープとは腸粘膜が異常増殖して隆起した状態で若年性ポリープ、ポイツジェガーズ症候群、家族性大腸ポリポージス(多発ポリープ)などがあります。小児では若年性ポリープが大部分を占め、下部大腸・直腸に好発します。
■どんな症状がありますか?
◎この患者さんのように便に血液が付着するような血便がみられます。稀に輸血を必要とするほどの大量出血をみることがあります。それ以外にはポリープ自体が肛門から脱出することがあります。腹痛、発熱、下痢などの症状を有することはあまりありませんが、ポリープが原因で腸重積症を起こすこともあります。悪性に変化することはありません。しかし、家族性大腸ポリポージスは悪性になる可能性が極めて高い病気です。
■どうすれば良いのでしょうか
◎輸血が必要な出血や腸重積症の可能性もあるわけですから、ポリープが見つかれば切除するのが良いと思います。
■お腹を切らなければならないのでしょうか?
◎以前は開腹手術をして大腸の一部を切除したこともありましたが、現在は内視鏡でポリープを切除しますから、傷は残りません。また、肛門に近いポリープでは肛門から引き出して切除することもできます。再発の可能性は少なく予後は良好です。ただ、子供では全身麻酔を必要としますから短期間入院する事になります。
他の原因による出血の可能性もあることや、ポリープの存在を確認する必要があることから、注腸造影検査、内視鏡検査をして診断を確定しなければなりません。このような場合には早めに小児外科医に相談されることをおすすめします。
(高松)