小児における鏡視下手術

成人の外科で胆石を内視鏡(腹腔鏡)で取るという話を聞いた方も多いと思います。

最初は成人だけでしたが、小児でも鏡視下手術をやろうという動きがあり、まずは成人の内視鏡、道具を使って始まりました。その後、小児用の小さなサイズの内視鏡、道具が開発され小児でもその適応が広がってきています。鹿児島大学小児外科でも多くの症例に鏡視下手術を行っています。

脾臓を取る

胆嚢を取る

ヒルシュスプルング病の根治手術をする

卵巣嚢腫の治療をする

腸回転異常症

メッケル憩室切除

虫垂切除

胃食道逆流症への手術

肺の手術

縦隔腫瘍の切除

腹部腫瘍の切除などたくさんの種類があります。

鏡視下手術は術後の痛みが軽い、早く元の生活に戻れる、傷が小さいなどの利点を持っています。こどもは手術後の痛みが軽くてすむと言われていましたが、鏡視下手術の方がはるかに早く元気になります。今まではおなかに大きな傷ができていた手術も本当に目立たない傷になります。ただし、手術時間は従来の手術に比べかかります。

ただ、全ての症例がうまくいくわけではありません。中には鏡視下手術の適応にならない手術もありますし、鏡視下手術を試みても開腹手術に切り替えざるを得ない手術もあります。たとえば、出血が止められなくなったりする場合は速やかに躊躇せず開腹手術に移行することがもっとも大切です。

(高松)