鹿児島大学小児外科の歴史

昭和55年4月に附属病院の教授1名の診療科として正式に発足し、その後平成3年4月に医学部講座に昇格しました。

昭和55年4月有馬榮徳講師が第2外科から転出し、小児外科専任となりました。

科長は第2外科の秋田八年教授(併任)→第一外科の西満正教授(併任)

昭和59年4月に国立小児病院外科の秋山 洋医長が赴任しました。

平成3年4月小児外科学講座が認可されました。

(平成3年6月17日には城山観光ホテルで講座開溝記念祝賀会)

平成3年7月には秋山教授が国立生育医療センター設立準備のため、国立小児病院副院長として転出しました。(国立大蔵病院院長を経て、現在国立小児病院院長、平成12年3月退官)(秋山教授は平成3年12月まで併任)

平成4年7月1日付で高松英夫が教授に昇任し、現在に至っています


【診療】大学病院での小児外科の病床数は9床でスタートし、院内措置で現在11床を利用しています。病床の回転率を上げることでこのレベルの小児外科としてはかなりの症例の治療を行っているつもりです。実際の臨床では大学内外の産科の先生方の協力を得て、出生前診断症例の治療に取り組み、横隔膜ヘルニア症例を中心とする新生児呼吸障害に対するECMO治療、成人で適応が広がってきている鏡視下手術も積極的に小児に導入しています。

【卒前・卒後教育】平成3年までは卒前教育の臨床実習時間は半日x2日間しかありませんでしたが、平成4年からは4日半、平成10年秋からは2週間の実習が行えるようになり、より実戦的な実習となるよう工夫しています。卒後教育については小児外科専門医の育成と、一般外科医に対する小児外科教育を行っています。小児外科専門医の育成はまず、外科認定医資格の取得、それに続く小児外科認定医資格の取得を目指しています。後者については小児外科患者の術前術後管理法の修得と小児鼠径ヘルニアの執刀を目標にしています。

【研究】診療科時代は臨床研究を中心に行ってきましたが、講座開設を機会により基礎的な研究を開始しました。現在までに胆道閉鎖症、先天性横隔膜ヘルニアの成因に関する研究を行ってきましたが、今後は小児固形腫瘍の成因と治療、先天性疾患の発生に関する分子生物学的研究、肝疾患と脂質代謝を柱に研究を進める予定です。平成9年に小児外科学講座から初めての学位取得者が誕生しました。研究業績は著書6編、総説12編、原著76編(英文原著13編)を数えています。

【研究室】講座になってから10年が経ちました。今まで毎年お願いしていた研究室がようやく頂けることになりました。講座開講十年を契機に新しい小児外科の出発です。場所は臨床研究棟の1階部分です。従来は学生の自習室、ロッカー室があったところです。附属図書館桜ヶ丘分館も目の前です。広い医局、コンピュータなどを集めた情報処理室、実験室も整備されました。

【主催学会・研究会】鹿児島小児外科研究会:秋山教授が赴任後、毎年4月にを開催しており、平成14年には18回目をむかえました。平成6年5月:第27回太平洋小児外科学会、昭和61年12月:第13回日本胆道閉鎖症研究会、昭和63年6月:第25回九州小児外科学会、同 9月:第18回九州小児外科研究会、平成6年9月:第24回九州小児外科研究会、平成9年5月:第34回九州小児外科学会、平成11年11月日本小児呼吸器外科研究会、日本小児人工臓器研究会(自治会館)、平成14年2月日本小児消化管機能研究会

(文責:高松、2002年9月20日)

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