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鹿児島県におけるヒブ・肺炎球菌ワクチン安全性調査 |
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研究代表者 鹿児島大学病院小児科 西 順一郎 |
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目的 |
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ヒブワクチンは、海外においては有効性とともに高い安全性が示されています。日本では2008年12月に接種が任意接種として開始され、多数を対象にした有害事象調査はまだ十分行われていません。本県では、鹿児島市、伊佐市、曽於市、薩摩川内市、いちき串木野市、南さつま市、出水市、長島町、さつま町で費用の公的補助が行われています。また、小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)も2010年2月から接種が可能となっており、伊佐市、志布志市、出水市、長島町、さつま町で公的補助が行われてきました。さらに、2011年1月からは鹿屋市、2月からは鹿児島市で国と市による全額補助が開始され、4月からは、県内のほとんどの市町村で補助が開始されました。これらのワクチンの有効性とともに有害事象の頻度を県民の皆様に提供することは、ワクチン普及のために重要であるとともに、定期接種への移行にも必要です。現在、有害事象の頻度を正確に把握するために、接種医師のご協力のもと前方視的調査を進めています。 |
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方法 |
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県内の協力医療機関29施設において、被接種児の保護者に接種医師が調査内容を説明し、文書で同意を得た例を対象としました。調査対象の有害事象は以下のとおりで、観察期間は2週間です。 1)アナフィラキシー 2)脳炎・脳症 3)けいれんなどの神経症状 4)前記症状に伴う後遺症 5) 肘を超える局所の異常腫脹 6)全身の発疹やじんましん 7)39度以上の発熱(接種2日以内) 8)その他入院を必要とする病気 接種医師は、観察期間後に保護者に有害事象の有無を電話等で確認し、当科へ報告することとしております。なお、本研究は、当大学院疫学研究倫理委員会の承認を得て行っています。 |
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2011年月4月8日現在で、対象接種例数は11,197。初回接種53%、2回目27%、3回目15%、4回目5%。接種時の月齢中央値は8か月(2か月〜6歳2か月)。男/女比1.03。同時接種は5,561例(50%)にみられ、2種同時接種の際の各ワクチン接種数は、DPT 77%、小児用肺炎球菌13%、MR 5%、インフルエンザ3%、水痘 0.8%、ムンプス0.7%、日本脳炎0.5%、BCG 0.5%でした。3種類同時接種が706例 (6.3%)、4種類同時接種も19例
(0.2%)みられています。 有害事象は76例(0.7%)に見られ、11,121例(99.3%)には有害事象を認めておりません。 有害事象の内訳は以下の表のとおりで、全例後遺症なく改善しています。
けいれんなどの神経症状の1例は、突発性発疹後にけいれん重積となり入院した児でした。その他入院を必要としたのは、インフルエンザが1例、肺炎が1例であり、いずれもワクチンとの関連はないと考えられます。 有害事象は同時接種で高くなることが予想されるため、その関連を検討しました。有害事象は、単独接種群5,662例中で31例(0.55%)、同時接種群5,535例中では45例(0.81%)みられ、同時接種群で発熱がやや高い出現率でしたが、有害事象と同時接種には統計学的に有意な関連は認められませんでした(p=0.11)。
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2011年4月8日現在で、対象接種例数は3,051。初回接種60%、2回目27%、3回目13%、4回目0.7%。接種時の月齢中央値は9か月(2か月〜9歳5か月)。男/女比1.04。同時接種は1,805例(59%)にみられ、2種同時接種(1,152例)の各ワクチン接種数は、ヒブ44%、DPT 30%、インフルエンザ11%、MR 6.4%、日本脳炎3.5%、ムンプス2.3%、BCG 1.7%、水痘 1.3%でした。3種類同時接種が626例(21%)、4種類同時接種も27例(0.9%)みられています。 有害事象は28例(0.9%)に見られ、3,023(99.1%)には有害事象を認めておりません。 有害事象の内訳は以下の表のとおりで、全例後遺症なく改善しています。
入院を必要としたのは、急性咽頭炎の児が1例でしたが、軽快退院しており、ワクチンとの関連はないと考えられます。 有害事象は、単独接種群1,246例中で11例(0.88%)、同時接種群1,805例中では17例(0.94%)みられ、出現率はほぼ同じであり、有害事象と同時接種には統計学的に有意な関連は認められませんでした(p=0.98)。
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今後の展望 |
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本研究では、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンともに、現在までのところ後遺症が見られるなどの重篤な健康被害は認められず、安全に接種が進んでおります。本研究は1月31日の接種をもって終了しますが、今後は、公費補助に伴い国による有害事象のサーベイランスが行われることと思います。 |
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