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挨拶 2007年7月 |
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医療と医学のバランス 大学病院では実験的な治療をするので「モルモット扱いされる」と言われた時代がありました。その流れかも知れませんが、大学病院中心の医師教育は専門医養成指向で、社会が求める医師が育たないという批判があり、新医師研修制度が始まったと思われます。簡単に言えば、大学で医師を育てずに、研修病院で医師を育てるという意見であり、私ども大学教員にとっても結構な話です。大学の本来の業務ではない、地域への医師派遣という大きな問題を、行政をはじめ他の機関が担ってくれるのですから。でも本当にそれがよいことなのでしょうか? 新しい研修制度では初期・後期研修医ともに、以前の大学研修のように大勢で集団的に研修するのではありません。個人として関わる患者だけが研修の対象になりやすく、地域・病院で異なる多様な患者・疾患に接する機会が少なくなります。さらに日々の病院研修の中で調べて報告する機会も少なく、長期的に医学に基づく医療を実践する土壌が形成されるかどうか不安視する意見もだされております。 日野原重明先生が紹介したウイリアム・オスラー博士は、医学生にも有名ですが、そのオスラー博士は医学・医療の関係について次のように述べています。「患者を診ずに本だけで勉強することは、全く航海に出ないに等しいと言えるが、反面、本を読まずに疾病の現象を学ぶのは、海図を持たずに航海するに等しい。」 私たち医師免許を有する医師は、医学に基づく医療の提供が求められており、それは「門前の小僧習わぬ経を読み」では達成できない目標で、絶えず経を読んで学ばねばなりません。鹿児島大学小児科では、医学と医療をバランスよく研修できる従来の大学病院のシステムと多様な医療を実践する関連病院の研修システムのよいところ融合させ、さらに進歩した小児科医養成コースを構築したいと考えています。 河野 嘉文 |
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