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見出し特別講演

抗ウイルス薬の研究開発における最近の動向

宿主細胞の生存に影響を与えずに、感染しているウイルスの増殖のみを選択的に阻害することは、長い間ほぼ不可能であろうと考えられてきた。この考えが間違いであることは、抗ヘルペス薬であるアシクロビルの発見と開発によって明らかとなった。さらにエイズの世界的な蔓延は、抗ウイルス薬の研究を大いに加速させた。最初の抗エイズ薬であるAZTの発見から30年以上が経過したが、その間に抗レトロウイルス療法は際立った進歩を遂げ、当時「不治の病」であったエイズは、「制御可能な慢性疾患」へと変貌するに至った。特に最近ではインテグラーゼ阻害薬を含む合剤が発売され、1日1回1錠の服薬で体内のウイルス増殖を抑えられるようになった。さらに、インフルエンザやB型およびC型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス薬も次々に開発されており、抗ウイルス薬の研究開発は飛躍的な発展を見せている。本講演では、HIVを中心とする既存の抗ウイルス薬に関する解説に加え、臨床開発中の薬剤の現況、そしてHIV以外のウイルスを標的とする抗ウイルス薬研究の動向について、自らの研究結果も交えながら、分かりやすくお話したいと思う。

馬場 昌範先生のご略歴

昭和55年 福島県立医科大学医学部医学科卒業
昭和59年 福島県立医科大学大学院医学研究科博士課程修了
     内科の研修医・勤務医を経て,昭和61年から平成元年まで
     ベルギー・ルーバン大学・レガ医学研究所留学,エイズの研究に従事
平成4年 福島県立医科大学細菌学講座 助教授
平成6年4月 鹿児島大学医学部附属難治性ウイルス疾患研究センター・ヒトレトロウイルス研究分野 教授
平成16年4月よりセンター改組のため,施設名称変更
     大学院医歯学総合研究科附属難治ウイルス病態制御研究センター・
     抗ウイルス化学療法研究分野 教授
平成18年4月より平成21年3月まで 鹿児島大学・学長補佐 併任
平成19年4月より平成22年3月まで 難治ウイルス病態制御研究センター・センター長
平成22年4月より平成24年3月まで 鹿児島大学・副学長(国際戦略担当)併任
平成25年4月より平成27年3月まで 大学院医歯学総合研究科・副研究科長 併任
平成27年4月より平成27年3月まで 大学院医歯学総合研究科・研究科長 併任
平成27年4月よりセンター改組のため,施設名変更
     鹿児島大学難治ウイルス病態研究センター・抗ウイルス化学療法研究分野 教授
     鹿児島大学・副学長(国際企画推進担当)併任

専門分野

ウイルス学,化学療法学
特にレトロウイルス感染症の病態と治療法に関する研究

所属学会・役職等

国際抗ウイルス学会理事(2004年から2009年まで),米国微生物学会会員,
日本ウイルス学会評議員,日本エイズ学会評議員,抗ウイルス療法学会理事,
国際学術雑誌Antiviral Chemistry and Chemotherapy,Antiviral Researchの編集委員など

受賞

2013年5月 国際抗ウイルス学会賞「エリオン賞」受賞
2014年11月 日本エイズ学会賞「シミック賞」受賞
2016年11月 南日本文化賞受賞など

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第70回 日本薬理学会西南部会

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