教授あいさつ

 鹿児島大学呼吸器内科 2010年6月開講。2012年を迎える現在、お陰様で診療・教育が軌道に乗り、研究体制も整ってきました。

 当科は、呼吸器感染症、気管支喘息、肺癌、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺疾患、呼吸不全などの診療・教育・研究を担当する呼吸器に特化した内科ですが、日和見感染症、膠原病や心疾患に伴う肺疾患も当科の診療範囲ですので、全身を診ることが常の姿勢です。さらに、社会的・心理的な視点からも質の高い医療を提供することを心がけ、積極的な研究を進め、的確な分析力と合理的な判断力をもった臨床医を育てていきます。

 呼吸器内科医は、画像診断・呼吸機能検査・気管支鏡・胸腔ドレナージ・呼吸管理など体得すべき専門的技術も多く、クリティカルな救急・集中治療の現場から、健診やクリニックの外来診療まで活躍できる基本手技と専門性があります。内科認定医の取得はもちろん、呼吸器専門医資格取得までの指導体制と研修システムを充実させ、カリキュラムの中で確実にルートを歩む機会を準備しています。ぶれないモチベーションを持って努力を続けることが必要です。大学院進学から学位の取得を目指して下さい。そして是非、これは医局員にも期待していますが、その先には世界をめざすことも忘れないでください。

 呼吸器疾患の患者数は増加の一途をたどり、GARD (Global Alliance against Chronic Respiratory Diseases)と称する呼吸器疾患に対する世界規模の包括的な取り組みが始まりました[http://www.who.int/respiratory/gard/en/]。WHOは今世紀の人類にとって呼吸器疾患が最も重要な問題になると予測しています。今後、われわれ呼吸器内科医の果たすべき役割はますます拡がるばかりです。難治性の呼吸器疾患の病態解析や新しい治療法の開発、肺の再生は困難な領域ですが、努力を続けることで難題を乗り越え、患者さんを救う一助となることが我々のよろこびです。

 呼吸器は生死にかかわる重要臓器であり、呼吸器内科は医師として "やり甲斐のある科"です。教室には、立場を越えた開放的な議論の場があります。積極的な意見交換が相互理解を生み、新生 鹿児島大学呼吸器内科を躍進させてくれると信じています。風通しの良い中でメンバーの自律性を促し、後進を育てる重要性を医局員全員で共有して、新しい人材を迎える扉は大きく開いています。 Welcome aboard! 参加を歓迎します。

( 2012年1月 )


鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 呼吸器内科学 教授
井上博雅