鹿児島大学リハビリテーション科は、現在までに日本リハビリテーション医学会認定専門医を40名以上輩出し、現在当科に13名在籍し(学内)、認定指導医による研修体制が整っています。
また、国立大学でリハ医学の講座を有する大学は非常に少なく、当科は学位取得の道が開かれているのが特徴です。
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(2)臨床研修プログラム
卒後臨床研修(初期研修)
当リハビリテーション科は霧島リハビリテーションセンターと鹿児島大学リハビリテーション科で診療を行っています。
鹿児島大学病院や霧島リハビリテーションセンターのホームページでは、リハ科の研修内容について概要を記載しています。
詳細はレジナビの鹿大リハビリテーション科研修・日本リハ医学会認定臨床医・専門医取得コースをご覧下さい。
リハ科研修は臨床研修プログラム「桜島」の中で選択するシステムです。リハ科を選択する場合、鹿児島大学のWebに記載されたローテーション表の、臨床研修プログラム「桜島」A-Dのいずれかのコースを選択し、大学の『内科』もしくは『選択』の中でリハ科を選択してください。
当大学病院は医学部に併設された本院と霧島にあるリハビリテーションセンターがあります。
リハ科の研修は主として鹿児島市から車で約1時間の距離にある霧島リハビリテーションセンターで行います。研修生は敷地内の宿舎を利用する事も可能です。
当センターは大学病院や臨床研修指定病院では数少ない回復期リハ病棟(26床)と一般病棟(24床)から成ります。
初期研修では、上級医と共にグループで主治医として入院患者さんを担当します。回復期リハ病棟では患者さんの在院日数が比較的長いため、後述するリハ科的な研修はもちろん、脳卒中の回復期、高血圧や糖尿病、高脂血症等の内科的慢性疾患をじっくりと丁寧に診療することが可能です。その他にパーキンソン病や脊髄小脳変性症等の神経・筋疾患、骨関節疾患等、幅広く研修できます。これは多くの臨床研修指定病院の在院日数が急性期疾患中心で短縮化されているのとは対照的に当センターでのじっくりした充実の研修が特徴となっています。
また、外来診療では地域の患者さんが多く、一般内科的なプライマリーケアの研修も可能です。
※当科は新臨床研修制度開始前から研修医時代にローテートによる他科研修を実施してきました。
約半年間のリハ科研修後に1年半年程度、学内外において脳外科や整形外科、内科(循環器、神経、消化器など)、
麻酔科、皮膚科、小児科、耳鼻科、泌尿器科など、各自の希望に応じて選択していました。
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後期研修の場合
リハ科研修・日本リハ医学会認定臨床医・専門医取得コース
2年間の初期研修終了後に、医員として主に霧島リハセンターで臨床修練を行い、リハ認定医や専門医を目指します。
転科医師の場合
霧島リハセンター研修と共に、これまでのキャリアや将来の希望に応じて関連他科(大学内外)やリハ専門病院での研修の相談にも応じます。
*いずれの場合でも、研究や学位取得の希望者は、医員として勤務しながら大学院生 (社会人入学枠)として研究することも可能です。
研究: 霧島リハセンターでの臨床的研究や桜ヶ丘キャンパスでの脳卒中ラットや脊髄損傷ラットを用いた基礎的研究、他が可能です。
リハ科研修・日本リハ医学会認定臨床医・専門医取得コース
これまでに当科へ転科された医師は、内科、脳神経外科、神経内科、小児科、麻酔科、整形外科と多岐にわたり、
これらの医師の経験も当センターの技術・知識の蓄積に大きな力となっています。
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霧島リハビリテーションセンターにおける診療風景
1. 新患カンファレンス
火曜日は、新患カンファレンスや川平教授(センター長)による回診が行われます。症例検討やグループカンファレンス、回診等を通して複数の専門医による詳細な検討を経て、治療方針を決定しています。また、医学部学生や研修生(医師、有資格PT、OT、ST、NS)も丁寧な指導のもとリハ医学について実習しています。
3. リハビリカンファレンス

リハ医療では、リハ医やナース、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、医療ソーシャルワーカーなど多くの医療専門職により構成される「リハチーム」で社会復帰や家庭復帰をサポートします。「リハチーム」は、患者さんの抱えている問題点を疾病、機能、能力、心理・社会的要因と階層的にまとめて、予後予測のもとにゴールを決定し、リハプログラムを作成します。
患者さんは様々な障害や併存疾患を有するために各専門職が、カンファレンスを通して問題点やゴールを共有し、連携して治療に当たる事が重要です。当センターでは患者さんを主治医として受け持ち、「リハチーム」のリーダーとして活躍できる幅広い技能を持った医師を育成します。チームリーダを務められる医師は回復期リハ病棟の医師や家庭医として今後ますます重要になってきます。

4. 機能診(毎週2〜4症例):熱心な指導

各主治医は、受け持ちの入院患者さんの高次脳機能や脳神経、運動、感覚、ROM、基本動作、歩行等の精神・身体機能について、他のリハ専門医や医学部学生に対して簡潔にわかりやすくデモンストレーションします。機能診の目的は、リハ科的な診察や評価方法について複数の目を通して検討し、患者さんの有する問題点や治療方針を確認することで、医学部学生や研修医のトレーニングの場ともなっています。
5. 装具診

患者さん一人一人の麻痺や全身状態、歩行の様子を診て、積極的に適切な装具を処方し、義肢装具士に装具や義肢の作成を依頼します。
6.嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査

患者さんの嚥下の状態を造影剤の入ったゼリーや食品で確認して、誤嚥の有無や適切な食品形態、摂食姿勢、訓練方法について検討します。

7. 膀胱機能検査

脳卒中や脊髄損傷では排尿機能障害(神経因性膀胱)を呈する事もあり、病態により治療薬が異なるために正確な診断は欠かせません。生理食塩水を膀胱に注入して膀胱内圧や尿道内圧を測定します。必要に応じて尿路造影も行います。その上で治療薬や導尿法を検討します。
8.
筋電図・神経伝導速度・磁気刺激・ヘリカルCT,
脳波検査
9.
神経・モーターポイントブロック

10. 高次脳機能検査・神経心理検査
脳卒中や外傷性脳損傷では、失語や失行、失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害等の多彩な高次脳機能障害を生じることがあります。大脳の前頭、側頭、頭頂、各連合野における機能やそのネットワークを理解した上で、必要な検査を組み合わせて高次脳機能を評価し、適切な訓練方法や対処法を検討します。
11.独自の治療や訓練方法の開発
臨床研究として、麻痺自体を改善するための促通反復療法やコンピュータ化装置などを独自に開発して、多くの成果を上げています。
促通反復療法の理論と実際の手技を示します。

迷路制眼球反射を用いた外眼筋への促通法である。
b)促通反復療法の実技講習会

促通反復療法(川平法)実技講習会は平成19年から3〜4回/年、福岡市、東京都、那覇市、霧島市、大阪、千葉などで開催しています。
c)独自の治療や訓練方法の開発

経頭蓋磁気刺激法を用いて障害大脳半球や健側大脳半球の興奮水準の調整を行い、
これに促通反復療法を併用する新たな治療法を開発し、治療効果の検討を急いでいます。
実習生の受け入れ
実習見学生は積極的に受け入れており、平成20年度が611名、延べ3465名にのぼります。その内、有資格者(PT, OT, ST) は全国から101名, 延べ628名が一週間コースの講習を受けています。

視覚運動課題を用いた訓練で運動技能だけでなく、頭頂連合野機能を高める効果がある。

振動による促通により、上肢のリーチングや歩行が改善する。

視野欠損の境界領域に繰り返し光刺激を与え、視野の拡大を図っている。

左半側無視はリハビリテーションの阻害要因ですが、通常の作業療法の他、プリズム偏位や頚部振動刺激での偏位を応用した治療法を発展させています。
12.院内勉強会:ランチ&ホットディスカッション

木曜日、昼食をとりながら最新の研究成果や研究計画について講演と質疑を行っている。
社会貢献
13. 大学公開講座

リハビリテーションの講義と実習を行っています。平成20年度は霧島市、鹿児島市、那覇市で開催し、これまでの受講生は総計7064名にのぼります。
楽しい催し
14. お花見回診・七夕会・クリスマ会
お花見回診

4月には近くの公園で満開の桜のもとで“お花見回診”をします。
入院患者さんに対して毎年8月には七夕会を、12月にはクリスマス会を提供しています。これは霧島リハセンター全職員の手作りによるもので、季節感ある“出し物”の提供や患者さん参加のレクレーション等を行います。通常の入院生活とは異なる患者さんの表情や運動能力を垣間みることができて、うれしくなります。
七夕会

高原の涼風でたなびく七夕飾りのもとで歌や舞が楽しい。
15. 家屋調査や職場(学校)訪問

入院患者さんの退院前に、家屋や職場等の調査が必要な場合には主治医あるいは“リハチーム”で患者さんのお宅や職場を訪問します。訪問が困難な場合には、ご家族に写真やビデオ撮影を依頼し、外泊・外出時のアンケートに基づいて、家屋改造やその環境での移動方法等についてアドバイスしています。病院から離れて“実際の生活の場”における患者さんの姿を診る事で、患者さんの家庭や職場における役割について再発見したり、退院までに必要な訓練や準備について確認します。
この訪問により“家庭復帰”、“職場復帰”というリハの原点や“地域リハ”の重要性を強く感じることができます。
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専門分野の研修
1脳卒中、その他の脳疾患(脳外傷など)
2脊髄損傷、その他の脊髄疾患(二分脊椎など)
3関節リウマチ、その他の骨関節疾患(外傷を含む)
4脳性麻痺、その他の小児疾患
5神経及び筋疾患
6切断
7呼吸器・循環器疾患
8その他(悪性腫瘍、末梢循環障害、熱傷など)
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リハ科では、「疾患」の診断や治療だけではなく、疾患により生じた「障害」の診断を行います。
すなわち、患者さんは図のピラミッドのような階層で家庭復帰や社会復帰に際し問題(障害)が生じます。
これらをまず的確に診断できるようにします。

例えば、「疾患」が脳梗塞の場合、「障害」診断としては、以下のような問題を有する場合があります。
患者さんは一人の人間としてこれまでの歴史や役割があり、一見同じ機能障害でも、家庭や社会の背景は千差万別のため社会復帰に関わる問題は誰一人として同じではありません。
リハ科では、人が生きていく上で必要不可欠な問題を的確に診断し、あらゆる手段を使って「よくすること」を多職種により構成される「リハチーム」で考え実践できる医師、回復期リハ病棟等で障害を持つ方の全身管理のできる幅広い技能を持った医師を目指します。
今後の高齢化社会ではリハ医療を必要とする患者さんがさらに増えてきます。現在、回復期リハ病棟は全国的に増加しており、当科でも県内外の多くの病院からリハ科医師育成を期待されています。
ぜひ私たちと一緒にリハ医学の理念のもとに誰もが安心、充実した暮らしできるように真に必要とされる医療を実践してみませんか。
鹿児島大学リハビリテーション科に興味がある方は、お気軽に、医局へE-Mailか電話にてお問い合わせください。
〒899-6603 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3930-7