第59回:装具のアフターケア
合わなければ作り替え
脳卒中で片まひになった人には、つま先のねじれや突っ張りを矯正する下肢装具がとても大切です。リウマチの場合でも、手の指の変形を防ぐ装具が作られます。しかし作った当初から体に合っていなかったり、変形の進行や装具の劣化で、次第にずれが出てきたりすることが多くあります。体にぴったりの装具作りと適切なアフターケアが必要です。
58歳、女性のTさんは、半年前に左片まひのためプラスチック製の短下肢装具を作りました。しかし、リハビリセンターに入院するまでアフターケアを全くしておらず、外反母趾(ぼし)のある親指の付け根が装具とこすれて赤くなり、痛みでうまく歩けない状態でした。また、装具の材質が薄いため突っ張りを矯正できておらず、つま先を床に擦りながら歩く状態でした。
Tさんの希望もあり、新しい装具を作ることにしました矯正部分の材質を強化して、土踏まずのクッションも増強足幅を広げるなど細かな調整を加えてやっと完成。履き心地の良い装具で、Tさんは積極的に出歩くようになりました。
装具のアフターケアはとても大切です。装具を着けるとかえって歩きにくくないか、姿勢が悪くないか、また履いて痛みはないか、靴擦れや肌が赤くなったりしないかなど確認します。特にくるぶし、足の親指と小指の付け根は注意する必要があります。異常があれば、すぐ主治医や理学療法士に相談してください。長く使っている装具なら、足の太さや変形の状態が変わったりして、ずれが生じた場合も考えられす。
下肢装具の耐用年数はプラスチック製で約2年、金属支柱付きの靴形のもので約3年です。耐用期限が来ないうちに破損したり合わなくなった場合でも、医師の処方と説明があれば作り替えは可能です。
装具の使い始めは違和感がありますが、きちんと体に合ったものなら徐々に慣れていくはずです。装具を着けても痛みがあったり、逆に歩きにくくなったりした場合は、装具の方に原因が考えられます。装具は第二の手足として使っていく大切な道具です。体によく合った装具で自立した生活を目指しましょう。
(鹿児島大学医学部霧島リハビリテーションセンター・ 弓場裕之、田中信行)
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