間歇(かんけつ)自己導尿とは、膀胱(ぼうこう)への神経の障害のために、自力で排尿できない、あるいは一部尿が膀胱に残ってしまう場合に行われる排尿管理法の一つです。その原因としては脊髄(せきずい)損傷や脳卒中、あるいは子宮や直腸のがんの手術(膀胱への神経の切除)などがあります。
残尿があると、膀胱炎や腎盂炎(じんうえん)が非常に起こりやすく、大量にたまると腎臓へ尿が逆流して、腎機能の低下も引き起こすため、4、5時間おきに膀胱にカテーテル(管)を入れて排尿します。間歇自己導尿を行う前に、まず1日の尿回数、1回の尿量、超音波検査や排尿後の導尿による残尿量、失禁や感染の有無を調べます。さらに膀胱に炭酸ガスや水を注入し、膀胱や尿道の内圧を測定したり、造影剤による膀胱の変形や尿管への逆流がないか検査したりすることが非常に大切です。
それらの検査の総合所見から、まず内服薬での膀胱機能の改善を試み、不十分な場合に自己導尿を指導します。方法は比較的簡単で、練習すればだれでもできます。手がまひしている人の場合は、家族が行うこともあります。手を洗ってアルコール綿で消毒し、消毒液で尿道口を消毒します。携帯に便利なセルフカテーテル(直径5ミリの細いビニールチューブで消毒と潤滑作用のあるイソジングリセリン液が入った容器に収めてある)を尿道にゆっくりと挿入します。膀胱に入れば自然に尿が流出します。トイレや尿器に採尿し、混濁や量などを調べます。全部出たら静かに抜いて水洗いし、再びイソジングリセリン液が入った容器に収めて、もう1度尿道口を消毒して終わりです。
よく見られる留置カテーテルは、患者の活動を妨げ、尿道や膀胱粘膜を傷つけて難治性尿路感染の原因となり、非常に有害です。一方、間歇自己導尿は消毒さえすれば、まったく楽で安全な方法です。トイレはもちろん、ベッド上や車いす上、車内など普通の人と同じように排尿できます。ある程度、知識があり、自己管理がしっかりできることが条件で、尿路感染、尿道損傷に注意します。間歇自己導尿は長期間、尿路管理が必要な場合に最も有効な方法といえます。
( 鹿児島大学医学部リハビリテーション科・石川聖子、田中信行)