第142回:薬剤師の役割

重要性増す服薬指導

 

 65歳以上の高齢者の割合は、日本全体で18.8%、鹿児島県で23.1%と急速に増えてきました。一方、年齢とともに高血圧や糖尿病、さらには脳卒中や心臓病、骨粗しょう症、変形性関

節症などの病気も増え、1人でいくつも病気を持つ人も多くなりました。その結果、高齢者は飲む薬の種類や量も増えています。加えて、視力や聴力、理解力や記憶力なども悪くなっています。そ

のため、薬の正しい飲み方や保存方法、副作用などを説明する薬剤師の役割が非常に重要です。

従来の薬剤師は薬の受け払いが主な役割でしたが、現在、たくさんの新しい種類の薬が開発され、患者も飲み方がわかりにくくなっています。そこで、主治医と患者の間に立って、量、回数など

正しく服用しているか、今飲んでいる薬がなぜ必要か、薬の効き具合や副作用が出ていないかを確認する「服薬指導」が非常に大切です。

小児科を除く多くの病院では、外来患者の多くは高齢者です。大きな声で名前を呼んでも、自分の名前を聞き間違って、他人の薬を持っていこうとする人もいます。そのため当センターでは、ひ

とりずつ薬の引換券を使用しています。また、「はい」と返事されても、本当に十分理解しているかを確認することも大切です。

また、「風邪をひいたので、血圧の薬は飲まずに余っている」とか、「朝夕2回の薬も、実は朝しか飲んでいない」「他の病院でも薬をもらっている」という人もいます。これでは、十分な薬の

効果が得られなかったり、重複して飲むことによって副作用が出やすくなります。これらの事実を薬剤師が主治医に伝えたり、なぜ決められた時間に、一定量を飲まなければならないか説明するこ

とも大切な仕事です。

薬の飲み方がよくわからなかったり、薬が余ったり不足した場合、他の病院にかかっているときは、ぜひ遠慮せず主治医か薬剤師に相談してください。そのほか、特殊な薬には独特の副作用や避

けた方がよい食べ物(血液の凝固を抑えるワーファリンには納豆やクロレラ、青汁、高血圧治療薬の一部には、グレープフルーツジュースなど)があるため、主治医とともに、薬剤師も注意しま

す。

これからは、顔が見える「かかりつけ薬剤師」として、患者の理解度や服薬の実状、生活の実態に即した薬の服用方法を指導することが薬剤師に求められています。

ただ、説明書を渡したり、副作用チェックを一方的に行うのでなく、患者から薬剤師への質問、相談などを受けやすい場を作りたいと思っています。

(鹿児島大学医学部リハビリテーション科:郷司 敦司、田中 信行)

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