脳卒中による半身まひやリウマチ、脊髄(せきずい)損傷で車いすを利用している人が在宅で自立した生活を送るには、住まいの整備が重要です。すなわちバリアフリーの住環境をつくらなければなりません。
日本家屋で体の不自由な人が暮らすには、玄関や敷居の段差、畳、和式トイレなど多くの障害があります。せっかくリハビリで機能を回復しても、何の配慮もない家に戻れぱ、病院でできたことが家ではできないことになり、回復した機能が低下してしまったという例も多くあります。
リハビリテーションセンターでは、患者さんが退院するときに前もって家屋評価を行います。まず玄関の上がり口や室内の段差、廊下、階段、ふろ、トイレなどの写真を撮ってきてもらいます。また実際に訪問して改造すべき個所を調べ、問題があれば入院中に改造を済ませるようすすめています。
家屋改造のポイントは次の通りです。
1.床の段差をなくす 玄関や部屋の境目、トイレなどのわずかな段差が障害者には大きな障害となり、転倒の原因になります。
2.手すりを付ける 廊下、階段、トイレ、浴槽などに手すりを付けておくと行動しやすく、安全の確保にも役立ちます。
3.照明を明るく 年をとると視力が衰えます。部屋はもちろん、廊下や階段の明るさにも注意してください。特に廊下や階段では足元の低い位置に照明をつけておくと、夜間も安心して歩けます。
4.家具の配置も工夫 移動の邪魔になる家具をチェックし、移動スペースにはあまり物を置かないことです。
快適な住環境は、障客者だけでなく介護者にとっても過ごしやすいことが大切です。最近はバリアフリー住宅といって、最初から障害者に使いやすく設計された住宅も増えてきています。その人の障害と住宅構造に応じた改造ができるよう、リハビリテーション医や理学療法士、作業療法士、ソシアルワーカーら専門家によく相談してください。パリアフリー住宅や改造に慣れた業者を選ぶ(WEB master 註)ことも大切です。
障害者の住宅改造には自治体からの公費補助もあります。市町村の福祉担当窓口に間い合わせてみてください。
(鹿児島大学医学部リハビリテーション科・上土橋浩)
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WEB master 註:この「パリアフリー住宅や改造に慣れた業者」という件について若干のお問い合わせを頂いたので、WEB master の独断で補遺しておきたい。
我々の講座・診療科が、そのような建築・改造を行う特定の業者と関連があったり、積極的に紹介して差し上げている訳ではない。ただ、実際に患者さん達が利用している業者を若干知らないわけでもない。
患者・家族の方からお問い合わせがあれば、電話番号等の連絡先等は教えて差し上げる事も出来るが、それ以上の事は関知できない。
ただし、具体的な改造法の目安等について御質問を受けることがあれば、当方で治療中の患者さんについては診療行為の一環として相談に乗っているのは当然のことである。
ただ、どうしても、とおっしゃるのであれば、少なくともこのスペースの中で具体的に業者名を紹介するのはためらわれる部分があるので、WEB master の独断で作っている私的なリンク集の中のこの部分をごらん頂きたい。
いずれ充実させていく予定でいるが、まずは鹿児島県内の業者一覧を作っていきたいと考えている。ただし、あくまでもWEB master の独断で作っているものであることをお忘れなく。
(この項文責=WEB master,990913 記す)