第21回:自宅での過ごし方
閉じこもらず毎日運動
Aさん(67)は脳出血で左半身まひになりましたが、リハビリセンターでの訓練で、つえと装具で歩けるようになりました。しかし退院して半年後、体重が増え、歩けなくなって再入院してきました。
Aさんには退院した後も毎日屋外を歩くように話してありました。Aさんもそのつもりでしたが、家族から「体が不自由なのに家の外を歩くと危ない」などと言われ、次第に歩かなくなり本当に歩けなくなってしまったのです。
このように、家に帰ると病院でできていたことができなくなる患者さんは少なくありません。これは自宅でのリハビリが十分行われなかったためです。リハビリは病院でするもの、と思われがちですが、退院した瞬間から今度は自宅でのリハビリが始まるのです。脳卒中であれ何であれ、せっかく獲得した機能を維持し、悪化させないこともリハビリの大きな目的の一つです。
自宅でのリハビリのポイントは、自分自身しっかりとした意志を持ち、毎日活動的な運動を行い、自分ができることは自分でする生活を習慣にしてしまうことです。
脳卒中の患者さんは、体は不自由かもしれませんが、決して病人ではありません。家族が病人扱いをして危ないことはさせないとか、本人ができることまでしてあげると本当の病人になってしまいます。手足の筋力はもちろん、心臓・肺の機能、耐久力、知能も衰えていきます。廃用症候群と呼ぱれるものです。
Aさんも運動不足による体重増加と手足の筋力低下、まひ側の足首が内側に曲がってしまったため歩けなくなっていました。Aさんはまた最初からリハビリをやり直し、装具を調整、体重を落として、再び歩けるようになりました。
障害を持つと外に出たがらない人が多いのですが、この「閉じこもり」が「寝たきり」につながってきます。家族や友人かちも、積極的な外出、デイケアやデイサービス、地域の保健所の機能訓練教室などを勧めてください。会いに出かける仲間や友達をつくることは非常に効果的です。
自分で何かをしてみようという目標が見つけられると最高です。旅行や新しい趣味にぜひ挑戦してみましよう。
(鹿児島大学医学部リハピリテーションセンター・上土橋浩、田中信行)
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