鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学

リハビリテーション科医師の役割

障害や疾患の診断,治療

リハ科医師は患者を診察し障害や疾患の診断を行い,治療の方針や内容を計画します。他の診療科では多くの場合「疾患」のみを対象としますが,リハ科医師は「障害」も対象としています。もちろん嚥下障害や排尿障害のように「疾患」に近い障害は他の診療科でも対応しますが,リハ科では薬物療法や手術など狭義の医学的治療のみで対応するのではなく,例えば動作方法の練習や環境の調整,福祉サービスの導入など様々な面から対応し,障害による問題の改善を図ることに特徴があります。

リハ科医師の業務内容は勤務している病院などの状況によって異なります。主治医として入院患者を受け持つ場合は全身管理を始め,高血圧や糖尿病などの併存疾患の治療を行いますし,総合病院の急性期リハビリを受け持つ場合には主治医とは別にリハビリのことのみの治療を行います。外来でも同じように患者の内科的治療を全般に受け持つこともありますし,障害のみのフォローアップを行う場合もあります。在宅医療でリハビリを活用して診療に当たっているリハ科医師もいます。リハ科出身医師の活躍もご覧ください。

リハビリテーションチームの中心として

リハビリは多くの関連職種の連携が必要です。代表的な職種として,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師,介護士,医療ソーシャルワーカーなどがありますし,嚥下障害によっては歯科医師や歯科衛生士,管理栄養士との連携や,在宅生活に際して市役所等の行政の担当者と連絡を取り合うことも珍しくありません。このリハチームの中心として,リハ科医師は診断,予後予測,治療方針を共有し患者や家族と共にリハビリを進めていきます。

リハ科医師は,オーケストラの指揮者に例えられることがあります。素晴らしい音楽を奏でるためには,バイオリンやトランペットなど各楽器の演奏者が優秀であることが必要なのはもちろんですが,それぞれの音色がバラバラであれば決して良い曲にはなりません。指揮者には演奏者の技術を最大限に生かしながら,曲の中での役割を伝え,指示を出し演奏をまとめ上げることが求められます。リハ科医も同じように各職種の技術を生かしながら,全体の歩調をあわせてリハビリが行えるように指示を出し,患者の最大限の能力を引き出していく,リハチームの中心としての役割があります。

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