消化器外科

使命

消化器外科グループは、夢と情熱をもって、科学的根拠に基づいた医療と最先端の医療の融合を図り、多職種との連携によるチーム医療のリーダーとして、「病む人の気持ち」を重視したテーラーメイド型の医療を実践し発信すること、また、このようなマインドを持った次世代の消化器外科医を育成し地域医療に貢献することを使命とする。

診療

肝胆膵外科が診療の柱(2015年11月-2016年10月までの1年間で、日本肝胆膵外科学会の定める高難度肝胆膵外科手術は17例:図1 )である。さらに、消化器外科全般の手術、消化器がん化学療法、緩和医療をスタッフ2人、医員1人で対応している。

肝臓外科領域では、原発性・転移性肝癌などの肝腫瘍に対して、多面的な肝予備能評価(図2 )とMDCTからの3D解析(図3 )によりvirtual hepatectomyを含めた治療戦略を構築する。肝切離では、手割り、CUSA、超音波凝固切開装置、ソフト凝固・シーリングシステムなど、アプローチ(開腹 vs. 腹腔鏡)、肝の障害度(正常肝 vs. 肝硬変)により使い分け、無輸血肝切除を第一に心がける。ハンギング法を用いた前方アプローチ(図4 )、尾状葉単独切除(図5 )、下大静脈-右心房浸潤に対する補助循環サポート下の肝切除(図6 )なども行う。胆道外科領域では、肝門部胆管癌、上部胆管癌に対しては、術前門脈塞栓術(図7 )を先行した拡大右肝切除(図8 )、左右3区域切除など行う。胆嚢癌に対しては、ss以深に対するS4a+S5切除、肝外胆管切除、D2+16番リンパ節郭清を基本とし、進展度に応じて肝膵同時切除までカバーする。中下部胆管癌、十二指腸乳頭部癌などに対しては、亜全胃温存膵頭十二指腸切除(SSPPD)を基本とする。膵臓外科では、膵頭部癌に対する門脈を合併切除するSSPPD、膵体尾部癌に対する腹腔動脈を合併切除する体尾部切除(DP-CAR)(図9 )を積極的に導入している。膵管内粘液乳頭状腫瘍(IPMT)や粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)、内分泌腫瘍などの低悪性度病変に対しては、幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PPPD)、十二指腸温存膵頭切除(図10 )、膵頭十二指腸第II部切除、中央区域切除(図11 )、脾温存膵体尾部切除(図12 )などの機能温存手術を適用している。膵頭切除後の再建は、Child変法で膵胃(soft pancreasなど)、若しくは膵空腸(随伴性膵炎合併例など)吻合を適宜使い分けている。慢性膵炎に対しては、PPPDなどの切除、PartingtonやFrey手術(図13 )などの内瘻術、切除と内瘻のコンビネーション等、病態に応じた個別化治療を導入している。

消化管癌に対しては、食道・胃・大腸癌診療ガイドラインに沿った標準的外科治療を基本的に遵守し、鏡視下手術も適宜取り入れ、安全性、根治性、機能性、審美性を追求している。最近では消化器内科とタイアップし胃・十二指腸GISTに対して腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS: Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery )(図14 )を行っている。化学療法、緩和ケアは施設、外来で薬剤師、認定看護師など多職種と共同しチーム医療の中で中心的役割を担う。心臓血管外科とのコラボレーションにより、「肝胆膵外科領域における動脈門脈再建」、「心疾患と消化器がんに対する同時・二期手術」(図15 )、「低心肺機能と消化器がん手術」、「高位後腹膜腫瘍・肝腫瘍と下大静脈切除」(図16 )などが先進的臨床研究として施行されている。

専門医・関連基幹病院

消化器外科領域で取得可能な主たる専門医は、日本消化器外科学会、肝胆膵外科学会、内視鏡外科学会の各専門医(肝胆膵外科は高度技能医)である。年間の全身麻酔外科手術件数600例以上の鹿児島市医師会病院、鹿児島県の中核的医療機関である鹿児島市立病院、鹿児島市で鹿児島大学以外の唯一のがん拠点病院である独立行政法人鹿児島医療センター、川薩地域の中核的医療機関である川内市医師会立市民病院、霧島姶良地区の中核的医療機関である霧島市立医師会医療センターなど、関連基幹病院はいずれも日本外科学会、日本消化器外科学会の修練施設である。鹿児島大学病院との緊密な連携により、消化器外科専門医はもとより、肝胆膵外科高度技能医、内視鏡外科専門医取得に必要なハード・ソフト両面が万全に整備されている。

最後に

「病む人」に知識・経験・技術・愛をもって専心し、各自がモチベーションを維持し続けられる集団として機能し、「人と社会」に貢献します。