皮膚科の研究紹介

ご挨拶

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野のホームページにお越しいただきありがとうございます。この度ホームページをリニューアル致しました。この機に一言御挨拶申し上げます。

鹿児島大学医学部は昭和18年(1943年)に開学致しました。医学部創立から遅れること1年、昭和19年(1944年)に皮膚泌尿器科学講座が開講され初代教授として椛島強一先生が着任されました。椛島教授の在任期間は2年余で、昭和21年(1946年)12月に第二代の岡元健一郎教授が就任されました。昭和40年(1965年)に皮膚科と泌尿器科が分離独立し、翌昭和41年(1966年)年1月に九州大学から皆見紀久男教授が第三代教授として着任されました。なお岡元教授は泌尿器科学教授として昭和58年(1983年)3月まで通算36年余の長きにわたって教授職を務めあげられました。皆見教授は分離後草創期の皮膚科の礎を築かれ、昭和47年(1972年)に久留米大学の皮膚科教授として転出され、同年4月に田代正昭教授が第4代教授に就任されました。田代教授は平成4年(1992年)に無事定年退官され、同年12月に第5代神崎保教授が名古屋市立大学から着任されました。平成18年(2006年)に神崎教授が定年退任された後、同年9月より私が第6代教授を拝命し現在に至っております。

医学的・科学的にアプローチする姿勢を大切に

鹿児島大学皮膚科では皮膚疾患に対して医学的・科学的にアプローチする姿勢を大切にしています。「赤くて痒いできものができた」とおっしゃる患者さんにステロイド軟膏を処方する。これは臨床医の仕事として間違ってはいません。しかしそれだけでは物足りません。「なぜ赤くて痒いできものができたのか」と常にその原因を追及することが必要です。原因を追及することが治療にもつながります。これが医学的・科学的なアプローチであって、そのためには基礎医学的な知識と思考能力が求められます。私たちは患者さんのため、「医学的アプローチに基づく診療」の質を高めるべく日々努力を続けています。

女性医師が働き勉強しやすい環境を

鹿児島大学皮膚科は医師が働きやすい教室、永く医学の勉強を続けられる教室を目指しています。全国的に女性医師が増えていますが特に皮膚科ではその傾向が顕著です。皮膚という目に見えるデリケートな臓器を対象とする皮膚科は、繊細な医師が大いに力を発揮できる診療科です。女性医師が皮膚科学を学ぶのは正に適材適所であると言えましょう。今、鹿児島大学皮膚科の教室員の約半数が女性です。しかし女性が医師の仕事を続けるには様々な問題が立ちふさがることも事実です。鹿児島大学皮膚科では医局員全員で話し合いながら、女性医師が働き勉強する環境を整えています。

 

このように鹿児島大学皮膚科は、教室の伝統を受け継ぎ、医学の高い目標を掲げ、女性医師の積極的な参加を得ながら、診療・教育・研究に邁進しています。患者さんや医学生、研修医は勿論、多くの皆様にこのホームページで私共の診療や研究についてお役に立つ情報を得ていただければ幸いです。

 

平成26年4月 金蔵拓郎