シルクフィブロインを用いた創傷被覆材の研究

創傷被覆材は創傷を保護し、表皮と真皮を回復させる役割を担っています。創傷被覆材の開発においては、線維芽細胞や表皮細胞に最適な環境を提供する素材を足場材料として用いることが一般的とされ、中でも蛋白やペプチドといった天然重合体を用いた創傷被覆材の開発がにわかに注目され、研究が進められています。

 

シルクフィブロインは、昔から外科用縫合糸として用いられており、生体に対して刺激性の少ない素材として知られています。肌触りも滑らかで、水分・油分を保持し、紫外線から肌を守ってくれる性質があり、最近では日常的スキンケア用品や化粧品にも用いられています。

 

鹿児島大学皮膚科ではシルクフィブロインを基盤とした新規創傷被覆材を皮膚全層欠損モデルマウスに対して用い、創傷治癒の効果について検証しています。また、シルクフィブロインが線維芽細胞や表皮細胞に及ぼす影響についても研究をすすめています。