鹿児島大学大学院保健学研究科のご紹介

dean shs r3.04
鹿児島大学大学院
保健学研究科
研究科長 赤崎 安昭

 鹿児島大学保健学研究科は、博士前期課程と博士後期課程の2つの課程からなり、自主自律と進取の精神をもってグローバルな視野をもち、指導的立場で活躍できる高度専門職業人の育成と教育者・研究者となり得る医療者の育成を目標にしています。そして、ここで行われた多くの研究の成果を国内外に提供し、社会に貢献してきました。

 鹿児島県の医療の特性として、多くの離島・へき地を抱えることと高齢化の急速な進行により医療過疎地域の増加があります。本研究科はこのような地域特有の保健医療課題を、多くの専門職で連携、協働し、解決できる優れた実践能力、研究能力、教育力を有する人材を育成しています。

 前期・後期課程共通科目に離島・へき地やチーム医療、国際コミュニケーションに関する科目を開講し、それらを専門領域・分野を超えて履修できるように編成しています。特に博士後期課程は、過去2年間の入学倍率は平均1.4倍、2年間に10件の学位が授与され、質の高い研究が行われています。大学院教育の発展を学部学生のモチベーションにつなげ、大学院との連携を充実させることで、医学部全体の教育の向上が期待できます。

 保健系国立大学に求められている専門職教育の大学院化として、まず、看護学領域では2014年に助産師課程を大学院に移行しました。助産師課程では、周産期医療や地域・離島マネジメントに関するカリキュラムを特徴としており、数多くの修了生が離島を含めた地域医療に貢献しています。その他にも、放射線看護の専門知識・技術を修得し、問題解決に能力を発揮できる看護師を養成する「放射線看護専門コース」、鹿児島県の地域特性に基づく離島・へき地等における保健医療的課題を多職種チームで解決できる能力を有する看護師を養成する「島嶼・地域看護学コース」を開設しています。現在、へき地・離島における保健医療福祉政策の立案とマネジメントができ、国際的な健康課題の解決に貢献できる保健師を育成するために、保健師課程の大学院教育を目指しています。

 さらに、鹿児島県の地域特性に基づく離島・へき地等における保健医療的課題を多職種チームで取組み,解決していけるように、平成31年度より「島嶼・地域看護学コース」を開設しました。本コースでは超高齢化社会において病院から地域での暮らしの場へ医療看護を提供できる人材育成に取り組んでいます。

 前期・後期課程共通科目に離島・へき地やチーム医療、国際コミュニケーションに関する科目を開講し、それらを専門領域・分野を超えて履修できるように編成しています。この他にもグローバル化を推進するために、本学の「若手教員海外研修支援事業」により教員を派遣し、全学横断的プログラムである「外国語コミュニケーション教育コース」を取り入れ、学生の国際的な場での学会発表を支援しています。韓国中央大学校赤十字看護大学の関連施設や、イギリスの助産関連施設研修等を通じて、国際保健医療活動を推進できる人材育成にも取り組んでいます。

 次に、理学療法学領域では、主に動物基礎研究、地域コホート研究,ヒトを対象にした介入研究、バイオメカニクス研究、リハビリテーションや保健学に関する多様な研究をテーマとし、鹿児島県という地域特性を最大限に活かしつつ、グローバルな視点で世界に発信しています。

 最後に作業療法学領域では、地域在宅高齢者の認知機能に関するコホート研究や高次脳機能障害患者のリハビリテーションに関する研究、精神障害者のリハビリテーション、作業療法や作業療法養成教育に関する研究、脳血管障害患者・認知症および神経リハビリテーションに関する研究を多角的に行っています。

 本研究科の入学者の特徴としては、社会人が多いことです。このため、仕事と学問の両立を図ることができるよう、長期履修制度や早期修了制度、他大学院の既修得単位の認定などを行っています。本研究科の前期課程を修了した学生の多くは専門的医療職や教員として、地域の医療活動や教育の中心的役割を担っています。また、博士後期課程へ進学し、更に高度な学問を究める学生もいます。指導的立場で活躍できる高度専門職業人を目指して鹿児島大学保健学研究科の門を叩いてみませんか。

  • 在校生の方
  • 卒業生の方
  • 教職員の方
  • 島嶼・地域ナース育成センター
  • 医歯学総合研究科
Back to Top