垂研ロゴ         長期縦断コホート研究~垂水研究(Tarumizu Study)2018~

たるみず元気プロジェクト健康チェック

鹿児島大学・垂水市・垂水中央病院の協働による長期縦断コホート研究~垂水研究~が2017年度からスタートし、「たるみず元気プロジェクト」として地域住民を対象とした脳とからだの健康チェックを実施しています。2018年は7月〜12月にかけて20日間の健康チェックが開催され、理学療法学専攻の教職員・学生、保健学研究科の大学院生も調査スタッフとして参加しました。

脳とからだの健康チェックでは、問診や心電図検査などの医学的な健康チェックのみならず、歯科・口腔の機能チェック、栄養摂取状況や生活習慣のアンケート調査など、さまざまな機能状態を包括的に検査・調査しています。

 2018年の健康チェックには40歳以上の垂水市民1,151名がご参加くださいました。理学療法学専攻の学生は、歩行速度や握力といった身体機能の測定のほか、全身の骨格筋肉量や脂肪量などの身体組成測定、記憶や注意力などの認知機能検査を主に担当しました。円滑に検査を進めるためには事前の練習も必要となります。また、実践でのコミュニケーション能力の向上にもつながりますので、今後の臨床実習での他者とのコミュニケーション能力を高める上でも大変に有意義な経験となります。

また、2017年度に予備的に開始した本事業へ参加した高齢者380名の結果をみてみると、21.2%の方がサルコペニアと呼ばれる筋量・筋力の減少が疑われる状態に該当することがわかりました。筋量が減少し、筋力が低下した状態が続くと、将来、要介護となってしまうリスクも高くなります。このようなリスクを有する者を地域でどのように評価して、どのような予防策を講じていくかを考えることも予防領域の理学療法では重要となります。「たるみず元気プロジェクト」は、2019年度以降も継続に実施していくことが予定されています。

2019年2月

123