鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

教育について

研修医の方へ:心臓血管・高血圧内科学の多彩な研修イメージ

リスクコントロール・生活マネージメント

現在、我が国の3大死因は悪性新生物、心疾患、肺炎であり、心疾患による年間死亡者数19万6926人(2016年)です。総患者数は172万9000人と言われ、心血管疾患で医療費は5兆9800億円と高額であり、医療費高騰は重要な問題です。また心疾患の死亡者数で最も多い死因は急性心筋梗塞3万7222人で、虚血性心疾患の年間医療費は7503億円であり、急性心筋梗塞による急性期死亡率は6~7%と非常に高い状況です。我が国の少子高齢化社会の現状を鑑みても、この点は非常に重要な問題であるため、疾患の一次予防および二次予防が非常に重要な問題です。

心筋梗塞の原因および対処法は下記の通りです。

<冠危険因子>

  • 高血圧症 →血圧 135/85 mmHg以上 →男性 2倍、女性 1.5倍
  • 糖尿病→リスク 2.6倍
  • 喫煙 →25~49本/dayで2.1倍、2箱以上で3.0倍
  • 脂質異常症 一次予防はLDL 120mg/dl未満, 二次予防はLDL 70mg/dl未満
  • 高尿酸血症
    血清尿酸値
    6.5-8.4 mg/dl →相対危険度1.64倍
    ≧8.5 mg/dl→相対危険度1.72倍
  • 肥満 →体重1kg増で虚血性心疾患の死亡リスクが1~1.5%上昇。
  • 家族歴
  • 慢性腎臓病

<対処法(健康寿命改善のために)>

  • 食事療法→塩分制限 6 g/day, 味噌汁は1杯食塩 1.5g程度含む。
    ※コンビニの弁当には通常1食あたり塩分が4~6g含まれていることが多く、漬物を残すなど注意が必要!!
  • 禁煙
  • 適度な強度の運動習慣(歩行やサイクリングのような低強度の律動的好気的運動)
    糖尿病、高血圧や血管内皮の安定化、フレイル予防、心筋梗塞後の運動リハビリには自分の心機能に合わせたレベルで有酸素運動がとても大事である。健康な人であれば40分程度のウォーキングを週に4回はすること。
  • 血圧コントロール→食事や禁煙、運動療法による血圧コントロールが重要である。
  • VitC, VitEなどの抗酸化物質の摂取。
  • BMI>30kg/m2の方は減量
  • アルコール制限→飲み過ぎは心機能を抑制するため、エタノール換算では男20ml/day, 女10ml/dayとする

循環器疾患は高度医療による救命のみならず、予防としてこうしたリスクコントロール・生活マネージメントを行うことが必須です。我々心臓血管・高血圧内科学では、これらを習熟することが可能です。リスクコントロールおよび生活マネージメントをすることは、患者の余命を改善させるだけでなく、入院予防による医療費軽減にもつながるため非常に重要です。