鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

教育について

研修医の方へ:心臓血管・高血圧内科学の多彩な研修イメージ

心不全

心不全を専門としたい先生方へ

様々な臨床研修を積まれた中で、さらに心不全を極めようと思われた先生方は、さらなる専門的な知識を付けて頂き、心不全の臨床・研究に努めていって頂きたいと思います。

以下に、いろいろな目指す点を記載しますが、あくまでも例に過ぎず、自分自身でスキルを身につけていくことができます。

より専門的な心エコーの知識・技術の習得、心臓MRIや心筋シンチなど画像評価

心機能障害の原因は多岐にわたっており、心収縮能をみただけでは判別がつかないことを多く経験します。一方、心エコー図検査や心臓MRI,心筋シンチなど、画像診断の進歩もめざましいものがあり、的確に評価することにより適正な治療につながります。

心エコーにおきましては、HFpEFをどのように診断し治療するかはいまだ解決できない分野ではありますし、どの症例にCRTが有効か、心エコーでは十分判別ができません。しかし、機器の進歩はすさまじいものがあり、最先端の知識と技術を身につけることにより、よりよい心不全診療につなげることができます。図1に示すのは、72歳の拡張型心筋症の症例です。重度の機能性僧帽弁閉鎖不全症を認め(左上)、僧帽弁流入波形は拘束型を示していました(左上)。スペックルトラッキング法を用いて、非同期の程度を評価したところ、左下図矢印に示すように、明らかな同期不全を認めました。心電図で左脚ブロックパターン籾止めたため、CRTの適応と判断しました。植込み後、同期不全が軽減したこともあり、僧帽弁閉鎖不全症は軽減し(図2左)、僧帽弁流入波形も弛緩型に改善しています(図2右)。

心臓MRIについて、図3に示すように、心筋が線維化した部位が遅延造影として評価でき、その部は心収縮能の改善が難しいことが分かります。心筋シンチも診断に有用です。稀な疾患ではありますが、CD36 欠損症の場合は、タリウムは集積するにもかかわらず、BMIPPは無集積を示します(図4)。その他にも、心筋のviabilityの評価に有用です。

以上のように、心エコーズ検査や心臓MRI、心筋シンチなどの画像診断も身につけると大きな武器になります。数回みただけではなかなか評価が難しいですが、患者さんの臨床背景を考慮しながら画像をみることにより、少しずつ理解が深まってきます。

非薬物治療の選択と効果判定・設定調整

心不全に対する非薬物治療も発展してきております。どの症例にどの治療を判定するかは悩むことが多いですが、その中でも、両室ペーシングや植込み型除細動器植込みについては、一度挿入するととることができず、ペーシングによりかえって状態を悪化させたり、誤作動を来すこともあるため、慎重に適応を検討し、挿入した場合は、適切な設定にする必要があります。

また、若年の心不全患者においては、心臓移植・補助人工心臓の適応の検討も必要です。本人の状態のみでは判定はできず、家族背景や生活状況など含めた総合的な評価が必要になり、移植施設と綿密な連携をとらなければなりません。さらに、もし搬送となった場合に、安全に搬送するためにはどのような手段でどのような日程で行うのか、といった調整も必要になります。

すべては患者さんのために、あらゆる治療を考慮し、よりよい医療が提供できるよう努めていきます。

心臓病理の知識習得

若年の心不全患者さんにおいては、心筋生検を施行することも多くなってきております。心筋生検が心臓移植登録に必須なのはもちろんですが、病理診断を理解することで、症例をより深く理解することができます。心筋炎におきましては、ステロイドの早期使用が可能となり、治療に結びつきます。心筋症研究会や心筋生検研究会などに参加し、より知識を深めることができます。

心臓リハビリテーション認定医の取得

日本心臓リハビリテーション学会では、心臓リハビリテーション指導士の上位資格を認定しており、医師は心臓リハビリテーション認定医、医師以外のメディカルスタッフは心臓リハビリテーション上級指導士の資格を得ることができます。上位資格は、通常の指導士と比較すると極めて狭き門となっており、資格獲得者は少ない現状があります。また、維持をするのもなかなか難しいですが、質の高い心臓リハビリテーションを目指すには、心大血管リハビリテーション認定施設に1名は上位資格を取得している医療従事者がいた方が望ましいと思います。是非、チャレンジしてみては?

心不全に関連した研究

心不全に関連した研究も行うことができます。特に、様々なバイオマーカーや運動生理に関する研究や心不全の予後に関する研究を積極的に行っています。もし何か興味があることがあれば、お互いに協力してよりよいデータベースを構築し、臨床に応用できる研究を目指しています。