学部生の方へ
教育担当より
学生教育のこの一年(2020年度)


令和2年度は, 昨年度に引き続き, 湯淺, 安田の両名で教育係を担当しています。
医学教育において, 近年, 最も力をいれられているのが, 卒前の臨床実習 (ポリクリ, クリクラ) です。グローバルな良医の育成を目指し, 卒後の臨床研修へ効果的に移行できるよう卒前での臨床能力の底上げを目的とした “診療参加型臨床実習” の充実など, ここ数年の大幅な改革が行われています。鹿児島大学も臨床実習期間の国際基準をみたすべく本年度から50週前後の臨床実習が72週に引き上げられました。その移行期のため令和2年1月~3月はM4, M5二学年同時のポリクリになりました。学生さんが毎週10名以上同時に当科実習になり学生さん達も私達もお互い大変だったかと思います。しかし, アンケートをみると下学年のポリクリ生は上級生が手本となり良い面もあったようです。大学病院だけで十分な臨床実習は難しく, 院外実習先の臨床教授の先生方にもいろいろと御協力をいただきまして, 誠にありがとうございました。
3月以降は現在もなお猛威をふるう新型コロナで, 医学教育も大幅な変更を余儀なくされ, 臨床実習は一時休止になり夏休み期間や年末が臨床実習に振り替えとなりました。M3の概説講義については, たびたび日程変更などお願いをすることとなり, 各講義を担当していただいた学内および学外の先生方には, 大変お手数おかけいたしました。当大学としても初めての試みとなるzoomを用いたオンライン授業になり, 今後のコロナウイルスの状況次第ですが, 次年度以降も新しい講義の形態として用いられていくものと思われます。
現在は感染防止, 三密回避を徹底して通常の臨床実習に戻り, 11月からは院外実習も再開されることとなりました。また学生の時期に循環器にもっと興味をもってもらうことをめざし臨床実習中に心エコーハンズオンを取り入れました。卒前に将来を決めている学生も少なくないため, 循環器をより体感してもらえる実習内容にしていければと思っております。講義に関しては “with Corona” 時代の医学教育, 対面講義とオンライン講義, どちらでも対応できるような体制になりました。逆境を好機ととらえ, 良医を育成するための体制構築ができればと思います。
これからも皆様方のご協力をいただきながら, 有益な実習・講義をすすめていくために教育係として尽力いたします。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。