鹿児島大学 医歯学教育開発センター

教員日誌医歯学だより

No.15 医学生の学習のモチベーション (2) 条件

医学生が医学に興味を持ち、また医師になりたいと思う限り、内的な動悸付けがあるのですから、学習のモチベーションを維持することは可能です。それでも、学習への興味が低下している学生がいるならば、学生をとりまく環境が原因と言わざるを得ないでしょう。

学生のモチベーションはどのような時に上がり、また下がるのでしょうか。

医学生のモチベーションを高めるには

1. 楽しいこと:講義であれ実習であれ、楽しい学習であることが必要です。まず内容が理解でき、学生の興味をかき立て、新たな発見と感じる時、学びは楽しくなります。ジョークが飛び交う授業ということではありませんが、学生が楽しいと感じられる授業は、和やかな雰囲気で進んでいるはずです。

2. 自分にとって役に立つと実感できること:こうありたいと思う自分に近づくための学習であると感じられた時、モチベーションが高まります。意義もわからないまま暗記をすることに意欲を燃やす人は稀ですし、その学習は長続きしないでしょう。医学生には臨床の話、患者さんの話は興味を引くものであり、しかもそれが近い将来の自分に必要な知識であり、役立つ技能であると理解できた時に修得したいと思います。

3. 達成できること:人は誰でも成功者でありたいと考えます。学習もそれが達成できると思えるからこそ、モチベーションが上がるのです。達成できる目標に向かって学習して良い成果をあげることが、更に次の学習につながっていくでしょう。

4. 自分の意志で学習をコントロールできること:学びたい対象も最適な学習方法も学生ひとりひとり異なります。なぜそれを学ぶのか、なぜその方法で学ぶのか納得できなければ学べません。教員に言われたことを何の疑問も持たずに行う学生は、まだまだ未熟な学習者です。自律した学習者であるからこそ、人はどのような環境にあっても学び続けます。学生の意志・選択を尊重した学習を支援する教員が、学生のモチベーションを高めます。

この文章を書きながら、果たして私の授業はどうか考えました。反省すべき点があることは確かです。良い学習を考えるあまりに教員主導の授業になってしまうと、実は学生のモチベーションが下がることを忘れずに、また次の教育を行っていきたいと思います。

 

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