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講義風景・学生インタビュー

大学院1年生が徳之島、奄美大島で「離島・地域母子保健学実習」をしました

まだ寒さの残る徳之島、奄美大島で2月15日〜19日に実習をしました。徳之島での実習先は徳洲会徳之島病院、天城町、徳之島町、伊仙町で、奄美大島では、鹿児島県立大島病院、徳洲会名瀬病院、瀬戸内町でした。実習を終えての学生の感想と、実習での風景をみてください。

離島・地域母子保健学実習

3人でプレゼンテ―ション

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

お世話になった保健師さん、徳洲会の先生、スタッフ、教員との集合写真

離島・地域母子保健学実習

実習の感想

初めて奄美大島を訪れ、地域の方々、医療者の方々の様々な視点から思いを聞くことができ、離島の母子保健や周産期医療について多くのことを学び充実した1週間でした。緊急事態や島外搬送とならないよう日々の予防が最重要であること、また医療者には早期段階での観察力や判断力が求められると感じました。病院同士の連携、地域との連携は欠かせず、妊産褥婦の情報提供や支援方法の検討を行っており、地域住民全体でも支え合っていることを実感しました。奄美大島など離島の母子が安心して暮らせる地域になるよう、私たち医療者は今後検討し、支援していく必要があると強く感じました。

母子連絡会での地域と医療の密な連携など、地域と医療現場で働く人々が一丸となって島の周産期医療を支えていることを学ぶことができました。また、初めての離島でしたが、徳之島の人・食・自然に触れ、島の魅力を実感した1週間でもありました。

保健センターや病院で一週間様々な体験をさせていただき、徳之島における母子保健や周産期医療の現状について学ぶことができました。徳之島では、ハイリスクな妊婦や母子への支援として、病院、保健センター、保健所、保育園など様々な機関・職種が連携を取りながら、島全体で対象を支援している事を実感しました。実習においても今回の学びをさらに深められるように励みたいと思います。

離島へき地母子保健実習を終え、離島医療の現状や、地域と病院の連携の重要さについて学びました。今回の実習で、様々な方にお話を聞き、実際の現場を見させていただくことで、他にはない離島医療を学ぶとても良い機会となりました。今後離島医療にさらに興味を持ち、学んでいきたいと思います。

今回の実習を通して、座学だけでは学べない離島のお産を支えることへの責任、やりがいを肌で感じることができました。また、他職種との連携において、顔がみえる関係づくりの重要性も実感した実習でした。

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習に引き続き、の実習を徳之島でさせて頂きました。

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島・地域母子保健学実習

離島の視点を持った助産師になりたい

今回、徳之島を訪れたのは二度目であった。前回の学びから、妊婦のセルフケアの現状として、妊婦健康診査を受診する妊婦の意識を把握することを目標とした。妊婦のほとんどは、自分の中に宿る命へ関心を向け、成長を目や耳で確認したいという思いから、妊婦健康診査を活用していることが窺えた。地域の母子保健事業は、妊婦健康診査に比べ、需要性が低く感じられたが、参加した妊婦は、児のために何かを作るということを通して、児の誕生や育児へのイメージに繋げていると感じた。また、直接声をかけること、妊婦が行き慣れた場所で実施することが妊婦の参加を手助けすると感じた。全ての妊婦が、家族や友人にサポートを受けており、徳之島は人と人の繋がりが強いとと感じた。今回学んだ、人々の繋がりや医療に携わる方の思いや現状に立ち向かう姿勢など、周囲に伝えていきたいと感じると共に、自分も離島の視点を持った助産師になりたいと改めて感じた。忙しい中、実習を受け入れてくださり、温かく歓迎して頂いた徳之島の方々に深く感謝したい。

地域の他職種との連携を大切にしている

離島・地域母子保健学実習を通して、実習で見出された離島の母子が抱える母子保健・周産期医療の課題について現状を知り、その解決策を検討することができた。核家族化が進み孤立した状況での子育ても多い中、徳之島では周囲から多くのサポートを受ける事ができる環境はとても恵まれていると感じた。しかし、家事や上の子の育児の協力を得ることができ、身近な人に相談をすることで不明な点を解決していることで、社会資源の必要性を感じておらず、母子保健事業の中で、妊婦に対して妊娠中の生活が児に及ぼす影響などを伝えることが妊婦のセルフケア能力の向上につながると感じた。医療者の方からのお話を通して、離島であることから、提供できる医療に限りがある状況で、自分たちにできることは何かを考え、使命感を持って日々努力している姿がとても印象的であった。母子の把握のために、地域の他職種との連携を大切にしているという徳之島の特徴もあり、医療者が母子の背景を把握し、対象にあった適切な医療の提供につながっていると感じた。

双方の周産期の状況やスタッフの想いを知った上で、助産師として活動していきたい。

今回、周産期搬送をテーマに実習を行い、とても貴重な現場の声を知ることができました。助産師の想いやこれまでの救急搬送状況、搬送の手続きや経済的側面を明らかにできただけではなく、助産師としての役割、地域とのつながりについて考えることができました。助産師や事務の方にお話を伺い、搬送に携わること、離島で働くことについて、不安、葛藤、後悔、責任感、やりがいなどまとめられないほどたくさんの想いを知ることができ、また医師・助産師だけでなく保健師、消防・救急、事務、島民すべての人々の想いがつながって、搬送や離島の医療が支えられていると感じることができました。今回は搬送する立場の方々の想いを伺いましたが、搬送する立場、搬送を受ける立場、双方の周産期の状況やスタッフの想いを知った上で、助産師として活動していきたいと思いました。

離島にも貢献できる助産師になりたい

今回、離島・地域母子保健学実習では、徳之島で搬送に関わる助産師の想い、搬送の手続きについて学んだ。助産師の方々の経験より語られる生の想いは、想像しかできない私たちに響くものがあった。様々な葛藤を抱えながらも、島の環境、まち、人々を好きな気持ちが原動力となっており、向上心を持って周産期医療に貢献されている姿、離島にないものを嘆くのではなく、あるものを活かして磨いていく姿勢が素敵であった。また助産師の方々の志や経験をお伺いし、今後の自分の助産師としての生き方について考える機会となった。同じ鹿児島県に住んでいても、このような形で離島を訪れ、学ぶ機会はなかなかないため、貴重な経験をすることができた。島の方々のあたたかさ、人との結びつき、やさしい空気や自然に触れ、離島にも貢献できる助産師になりたい、目の当たりにした離島の現状を周囲に発信していく役割も重要であると感じた。

みんなで食事会をしました!

ICMAPRC

第28回鹿児島県母性衛生学会のお手伝いをしました。

ICMAPRC

地域母子保健学実習を実施しました!

2月18日(水)から2月23日(月)まで徳之島で離島・地域母子保健学実習を実施しました。

地域母子保健学実習

地域母子保健学実習

地域母子保健学実習

「離島・地域母子保健学実習」を終えて

医療や地域どちらかに留まることなく、双方をつなぐ視点を持っていなければならない

徳之島に降り立ち、初めに感じたのは島ならではの静けさと自然の広大さでした。車で島を一回りして、馬が車道を歩く風景など都会ではなかなか見ることの出来ない日常がそこにありました。
徳之島町の保健センターでの研修では、仕事をしている女性、多産の女性が多いことから、母子健康手帳を随時発行にするなど、徳之島町の特徴を捉えた母子保健事業が行われていました。保育園・幼稚園の巡回、保育士の勉強会の開催など、子どもの発達に対する支援も行っており、地域全体で母子を支援していました。徳之島では母子連絡会があり、ハイリスク母子の情報を共有し、地域と医療の連携を図っていました。医療機関と地域で見せる母子の様子の違いを共有し、どのような支援が必要であるかを検討しており、より母子に身近なケアが実施出来ると感じました。
今回徳之島で実習をさせて頂いて、最も強く感じたことは、地域の視点を忘れてはならないということである。医療や地域どちらかに留まることなく、双方をつなぐ視点を持っていなければならないと強く感じました。 

病院と地域との連携が密接であることを実感

初めて徳之島を訪問し、保健センターと病院で実習をさせていただき、徳之島の母子保健と周産期医療の現状を知ることができました。徳之島の分娩施設は徳之島徳洲会病院のみであり、ハイリスク症例や緊急時は島外へ搬送が必要となります。訪問前は医療資源が少ないことから、出産を取り巻く環境が整っていないのではないかと考えていましたが、母子連絡会をはじめとし、病院と地域との連携が密接であることを実感しました。実際に搬送が減少したとの実績もあるそうです。このような顔のみえる関係づくりを構築する取り組みが他の地域でも実施されるべきだと感じました。資源が少なくとも、ネットワーク作りを徹底する、病院で地区担当の助産師の配置など体制を工夫する取り組みを見ることができました。離島という環境での母子保健について勉強になったうえ、島の方々がとても優しく接してくださり非常に楽しい実習でした。また訪問させていただけることがとても楽しみです。母子保健以外にも徳之島全体の雰囲気、島の素敵な方々について、周囲に発信する側として取り組んでいきたいと思います。

多くの学びを得て、貴重な体験をすることができました

天城町保健福祉センター、徳之島徳州会病院で1週間実習をさせていただき、離島・僻地での母子保健や周産期医療について多くの学びを得て、貴重な体験をすることができました。今回の実習で最も印象に残ったことは、毎月開催されている母子連絡会です。病院の助産師と各町の保健師、保健所の保健師が顔を合わせ、妊産婦の情報共有や支援方法の検討、振り返りが詳細まで行われていました。対象の想いや、助産師・保健師それぞれの視点から相互に意見し合い、どのような支援が必要か、どの職種がどの時期にアプローチするかといったことまで話し合われていました。地域と病院との距離が近く、密に連携を図っていることを実感しました。徳之島での分娩施設は徳之島徳州会病院のみであり、島外への搬送が必要な状況もあります。助産師としての自立や妊娠期からのかかわり、医師や保健師など搬送に関わる他職種との連携が重要であると感じました。徳之島の方々が温かく迎え入れてくださり、とても思い出に残る1週間となりました。実習においても、今回学んだことをさらに深めていけるよう、励みたいと思います。

今後、助産師として母子を支援するための課題を見出すことができました

一週間の徳之島での離島・地域母子保健学実習を通して、徳之島における母子保健・周産期医療の現状を知り、今後、助産師として母子を支援するための課題を見出すことができました。今回の実習で特に印象に残った取り組みとして、『母子連絡会』がありました。医療機関と行政の専門職が情報交換を行い、事例検討を行うものでした。ハイリスクケースの妊娠経過、妊娠前の生活・家庭環境、母子の愛着形成や育児の状況、退院後の支援の状況など情報を共有し、介入の必要性を判断していました。このような母子連絡会という情報共有の場があることで、入院中に指導した内容が地域での生活の中で指導したことが対象の行動にどのように影響しているかを把握できるとともに、退院後支援が必要とされる対象者に関しては、多方向から必要な支援を検討した上で介入することが出来、対象に合った適切な支援につながると感じました。今回の実習で学んだ医療機関と地域が連携した支援の体制を活かし、母子の支援を考えていきたいと思います。

講義風景その2

超音波検査法の演習

超音波検査法の演習

超音波検査法の演習を終えて

  • 赤ちゃんの向きを考えながら、動かして映しだすことが難しかったです。
  • 実際に鼻や手、足が見えた時は嬉しかったです。
  • 測定したい部位をきれいに映し出せずに苦労しました。
  • 何回も映像を見て、慣れていく事が大切だと思いました。
  • 小さな手や足が、とてもかわいかったです。

超音波検査法の演習

骨盤モデルを用いて分かりやすく説明しています。

超音波検査法の演習

皆で作ったポスターを使って、お産の流れを説明しています。

超音波検査法の演習

パパ、ママ役も真剣に聞いています。

超音波検査法の演習

パパ、ママにも質問しながら教室を進めています。

超音波検査法の演習

実際にマッサージや呼吸法を行い、イメージしてもらっています。

超音波検査法の演習

無事に終えてみんなでピース♪

講義風景その1

講義風景

講義風景

講義風景

講義風景

講義風景

講義風景

講義風景

講義風景

助産学コースで学んだ学生からのメッセージ

学生のみなさん

盛満 あゆみ

わたしは、8年前に看護師免許を取得し、看護師として病院に勤務していました。5年間重症心身障害児病棟にて勤務し、その経験が助産師を目指す大きなきっかけとなりました。重症児看護をしていくなかで、障害を未然に防ぐことや、障害児を取り巻く家族ケアのことなど何が出来るのか考えることがありました。

そこで、出生前から母子に深く関わることが出来る助産師として、専門的な知識を習得し看護を提供したいと考え進学を決意しました。入学して、学習に関しては先生方から事例も交えた専門的な講義をして頂き、助産学への関心が高まっています。

また、参加型の授業であり不明な点も明確になり意欲的に学習することが出来ています。助産学コースの仲間とは、お互いの思いなどを共有したり、同じ目標を持つ仲間として共に学習でき、とても支えとなっています。今後地域に貢献できる助産師となるために、学びを深め自らの役割を見出していきたいと考えます。

吉本明子

わたしは鹿児島大学の保健学科看護学専攻を卒業し、大学院に進学しました。入学前は、1期生という未知の不安と、臨床を経験せず進学することに迷いがありましたが、助産師の夢を諦めきれず決意しました。離島実習や妊娠全期間をみて学ぶことができる実習などの魅力的なカリキュラムに加え、あたたかく素敵な先生方であることを知っていたため、ここで学びたいと考え鹿児島大学を選択しました。今ではその選択は大正解であったと強く思います。

現在は1期生4人で同じ目標に向かい、共感し支えあう環境の有難みを感じながら、勉強も日常も本当に充実した日々を送っています。課題に追われることもありますが、笑い語り合える仲間からやる気をもらって頑張ることができています。将来につながる興味のある分野を学び、新しい知識を身につけることがこんなに楽しいのだと知ることができました。今後は先生方のご指導のもと、1期生として新しい道を築く手助けができたらと思います。

津留見 美里

わたしは、母性看護学の講義や実習を通して、妊娠・出産・分娩を中心とした女性の援助を行う助産師になりたいと思いました。進路を選択するにあたり、大学時代にお世話になった先生方からの学びをより深めたいと考えたこと、鹿児島県の特色を生かした離島実習などカリキュラムに魅力を感じたことなどから、鹿児島大学大学院への進学を決めました。不安もありましたが、同じ目標を持った仲間と先生方に出会い、切磋琢磨しながら、楽しくとても充実した日々を過ごしています。

さまざまな経験を積んだ仲間や先生方とディスカッションすることができ、様々な視点から物事を考えられるようになりました。今後、研究活動や実習で壁にぶつかることも多々あると思いますが、仲間や先生方に相談し、助けてもらいながら乗り越えていきたいです。

そして卒業後は、対象者に寄り添うということを大切にして、鹿児島の母子保健に貢献できるよう取り組んでいきたいと考えています。

前田 亜綾香

わたしは、幼い頃、"命"の尊さを感じるでき事をしり、傷つく女性の存在を痛感しました。鹿児島大学医学部保健学科看護学を専攻し、4年間大学生活を送り卒業後に、産婦人科で勤務しました。

2年間の臨床経験で感じたことは、"命の育て方"の重要性です。若年出産、未婚の出産、父親不明の出産。人生の選択は様々ですが、生まれてくる命の未来に不安を覚えます。性教育に付随した"命を育てるための教育"に関わりたいと感じ、助産師になるため、入学を決意しました。

大学院の授業では、自分で説明する責任と充実感が、更なる意欲を掻き立ててくれます。先生方の経験談は刺激的で、授業を更に彩ります。院生4人、授業中は意見を出し合い、休み時間は笑顔が絶えません。看護学生時代を過ごしたこの場所で、信頼できる仲間と、尊敬できる先生方のもと学べることに感謝しながら、"命を育てる"教育に尽力できる助産師になれるよう励みたいと思います。