後期研修医の声

己が役割 川野浩輝

臨床は非常に面白く、一番の驚きは初めて網膜剥離を見たときでした。半透明の網膜が眼底から浮き上がっているのを見て、「これが剥離なのか!!」とえらく感動してしまいました。Coats病を診察する機会があり、実際に自分の眼で見ることの大切さを感じます。眼科は細隙灯顕微鏡でのぞく世界が全て!と言っては過言かもしれませんが、一つ一つの所見をきちんととることは、何よりの基本だと思います。「知らないものは見えない。」とも言いますので、まずは基礎体力としての知識を身に付け、きちんとした診察ができるようになること、手術ができるようになることが当面の目標です。

大河ドラマ「篤姫」では、多くの登場人物が「己が役割」を果たしつつ懸命に生きる姿が描かれています。至らぬ点も多くご迷惑おかけする事も多いのですが、私も「自分の役割」を果たせるように一生懸命頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

1年が過ぎて 白澤誠

思い返せば、いろんな患者さんとの出会いがありました。診察のときにひどく眩しがる方もいれば、涙を流しながら時間のかかる診察を受けてくれる人、自分のつたない説明を熱心に聞いてくれる人、術後でうつ伏せをお願いしているにもかかわらず出歩いていつも病室にいない人などなど…。患者にそれぞれ個性があるように、3センチにも満たない小さな臓器である眼にも、スリットランプで覗けばそれぞれ多くの特徴があります。また、瞳孔を通して覗いた眼底にもいろんな所見が満ち溢れていて、見落とすことがないよう一生懸命日々の診察に当たる毎日です

入局して1年です 中澤祐則

入局してからというもの、診察や事務処理、そして新たに導入された電子カルテなど目の前のことをすることだけで精一杯の毎日でした。現在は少しではありますが余裕も出てきて、先回りして仕事をするということを意識して研修しております。

手術に関しては最初は角膜に水をかけるだけで精一杯でしたが、最近は術者が何を考えているのかが多少なりともわかるようになってきました。上級医の手術では簡単そうに見えることが、いざ自分でやってみるとなかなかうまくできず苦労しています。入局前はテレビ番組などの影響で「白内障手術は5分ぐらいで終わる簡単な手術」と漠然と思っており、その頃のことを考えると恥ずかしくなります。

日々精進 芳原直也

最近は少しずつ、いろいろな手技をさせてもらう機会も出てきました。眼科という分野が、教科書だけで学べないことが非常に多いことを改めて実感しております。また、実際に顕微鏡下で助手につきながら手術を見て、自分は助手のするべきことひとつひとつを覚えていくのにも精一杯の中、術者の先生方の偉大さにただただ圧巻しております。病棟でも次から次へと新しい患者さんが入院され、そのたびに疾患に対する理解を深めていく必要があり、苦労の連続です。まずは、少しでも眼科医らしい姿勢を身につけられるよう日々精進したいと思っています。

鹿児島大学眼科に入局して 吉村寿彦

福岡県久留米市で6年間の大学生活を送り、初期臨床研修医の2年間は東京で過ごし、後期研修医としてようやく郷土鹿児島へ帰ってくることができました。久しぶりの鹿児島生活に慣れるのに必死で、周囲の方々に様々な迷惑をかけてばかりの毎日です。ようやくシステムにも慣れ、診察や手術の準備、助手として手術に入ることの楽しみなどを感じられるようになってきたように思います。先生方の温かいご指導の下、眼科の奥深さに興味をそそられ、やっぱり眼科を専攻して良かったなと思っております。今後、次なるステップに向け日々努力していく所存です。患者さんを自分の手で治療に携われるその日を目指して頑張っていこうと思います。