研修の実際(M先生とM先生の指導医から一言)
鹿児島大学小児外科での1年間(平成21年4月〜平成22年3月)の手術経験症例
術者経験(96例)
・人工肛門造設 1例
・人工肛門閉鎖 1例
・メッケル憩室切除 1例
・開腹胆道造影 1例
・中心静脈カテーテル挿入 33例
・鼡径ヘルニア根治術 25例
・精巣固定術(両側2例) 5例
・臍形成術 3例
・気管切開術 3例
・胃瘻造設術 3例
・漏斗胸バー抜去術 3例
・観血的整復術(腸重積症) 1例
・リンパ節生検 1例
・直腸粘膜縫縮術(直腸粘膜脱) 1例
・環状切開(包茎) 1例
検査手技
・胃・十二指腸ファイバー 6例
・気管支ファイバー 3例
助手経験(33例)
・仙骨会陰式肛門形成術 4例
・胆道閉鎖症 4例
・胆道拡張症 1例
・人工肛門造設術 2例
・人工肛門閉鎖術 1例
・漏斗胸手術(Nuss手術) 2例
・停留精巣 1例
・卵巣腫瘍 1例
・気管支腫瘍 1例
・腸回転異常症 1例
・腹腔鏡手術
虫垂切除術 2例
胆嚢摘出術 1例
ヘルニア根治術 1例
傍食道裂孔ヘルニア 1例
・皮下腫瘤 1例
・その他 9例
業績
・日本小児科学会鹿児島地方会:「先天性右肺無形成に先天性気管狭窄症を合併し、slide tracheoplastyを思考した1例」(2009年6月14日:鹿児島) 3単位
・九州小児外科研究会:「Nuss法術後の創感染症例について」(2009年8月22日:沖縄) 5単位
・日本小児科学会鹿児島地方会:「十二指腸穿孔をきたしたロタウイルス腸炎の1例」(2009年10月18日:鹿児島) 3単位
・出生前診断研究会:「出生前に胆道拡張を認めた胆道閉鎖症(I-cyst型)の1例」2009年12月17日:鹿児島) 3単位

以上のように、3年目の医師で96例の術者経験、助手をあわせて100例を超える症例を経験できます。その内容も、消化管・腹部内臓、呼吸器、体表腫瘤、小児外科を中心に多彩な症例を経験できます。また、4年目以後は一般外科を中心とした研修を2年間行なうようにして、5年までの間に外科専門医取得のための準備を行うようにしています。

M先生から一言
私は鹿児島大学出身ですが、県外で研修し、研修後に鹿児島大学に帰ってきました。研修病院では大学に帰ると若手は手術をさせてもらえない、と言われていたのですが、鹿児島大学小児外科はむしろ若手を中心に手術予定が組まれていきます。振り返ってみると昨年度1年間で、内視鏡検査を入れて90例を超える手術の執刀をさせていただきました。3年目の自分ができるのだろうか、と思う症例もありましたが、初めての手術は必ず教授が自ら御指導してくださり、次何の手術をするかというのも、直接の指導医と教授が話し合って毎回決められていました。徐々にステップアップができるような指導体制であると思います。 医師としてまだまだ未熟ながらも、多種多様な疾患を経験させていただき、今後小児外科医として邁進していく上で貴重な1年間を過ごすことができました。1日でも早く先輩方のような1人前の小児外科医になり、鹿児島の医療に貢献できたらと思っています。

M先生の指導医から一言
 小児外科自体は全国的にも数が少なく、もちろん鹿児島でも少ないのが現状です。しかし、需要(子供の人数、出生数)からいっても決して大人数必要なわけではない一方で、疾患は多種多様にわたり、一人一人の質の高さがすごく求められると言う科でもあると常々考えさせられていました。そもそも、医者になって9年目になりますが、今まではいつも一人主治医で、上に指導してくださる先生方がいて診療していたのが、今年度初めて下に入局者がつくといういきなりの方向転換が必要になりました。僕自身まだまだではありますが、今まで自分が思ってきたこと、考えてきたことを現教授の松藤教授と話し(快く受け入れていただき非常に感謝しております)、小児外科であるとはどういうことなのか、手術への考え方、日常診療への考え方を教えていこうと考え、できるだけたくさんの症例を経験させるよう、できるように取り組んできました。 人材育成といった意味では教えられるほうにも、もちろんある程度の努力は必要ですが、なかなか思うような理解がえられず、自分自身悩んだり、また教えることで学んだことも多く、今まで僕を指導していただいた先生方の努力忍耐も感じることができ改めて感謝した一年でした。
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