ご挨拶

 鹿児島大学血液・膠原病内科は、2007年1月に医学部附属難治ウイルス病態制御研究センター内に開設された「感染宿主応答研究分野」、大講座制であった時代までさかのぼると旧第一、第二、第三内科にあった血液グループを源とする古くて、新しい医局です。そして。昨年4月に名実ともに「一人前の」臨床系講座として再スタートしました。

 私が医局あるいは診療科の責任者として最も大切にしたいことは、鹿児島県内の血液と膠原病の患者さんに(少なくとも)日本のトップに劣らない診療を行うことです。「鹿児島の標準」というものがもしあるとしたらそんなもので満足しては失格だということです。もちろん、最近の高度な医療の一部は実施施設が限定されるものも出てきました。そうであっても、世界で行われていることを常にアップデートして、他の大学や他の医療機関とも垣根を作らず情報交換することによって、それぞれの患者さんに最高の治療が提案できるように、治療戦略をマネジメントできる医師でなくてはならないと思います。当科にはそういった雰囲気が溢れています。

 鹿児島では成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の患者さんが、一つのエリアとしては世界で最も多く発生しています。私たちの先輩たちは、この病気の克服のために多くの研究をしてきました。私もぜひこの病気の患者さんに最も近いこの鹿児島から、新しい情報を発信し、患者さんたちにいつか福音をもたらせるようになりたいと思っています。

 今後の進む道を考える若い医学生、初期研修医のみなさん、ベッドサイドで患者さんのために動く当科のバイタリティあふれる若い医師たちを見ると、きっとあなたの心は躍るはずです。私たちにjoinするだけで、あなたもいつの間にかそんな医師になっているはずです。医局とは若い医師たちのための滑走路だと思っています。ぜひ私たちを利用して羽ばたいて、あなたにとってより高次元の次の滑走路に着陸してください。